米国連邦取引委員会(FTC)と7つの州は、GoogleとiHeartMediaに対して、2019年~2020年の間におよそ29,000件もの「欺瞞的なラジオ宣伝」を放送したとして、2社に対する訴訟を発表しました。
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GooglePixel4の欺瞞的な広告
具体的には、Googleの製品であるGoogle Pixel 4を一度も使ったことがないインフルエンサーに報酬を支払い、使用感を称賛するよう依頼して真実性に欠ける宣伝を行ったとされています。
これによりGoogleとiHeartMediaは、今後このような虚偽の表現を行わないよう制約され、合わせて940万ドルの罰金を求める判決を下されました。
そして2023 年 5 月、Googleはテキサス州だけで800万ドルもの和解金を支払うこととなったのです。
虚偽広告をうつ理由とは?
言わずと知れた世界的企業Googleでも、多くの人々をだます虚偽広告(=ダークパターンまたはディセプティブデザイン)を行う理由として考えられる要因は以下の通りです。
- 競争と市場シェアの維持
- 製品の認知度向上
- 権威性の構築
- 巨大な市場への影響力
競合他社との差別化や製品の存在をより多くの人々に知らせるために、影響力が強いインフルエンサーやラジオパーソナリティに偽りの宣伝を依頼したと考えられます。
Googleのダークパターンに関する内容は、以下の記事もご覧ください。
虚偽広告はGoogleだけじゃない
偽りの宣伝広告で顧客をだます携帯電話メーカーはGoogleだけではありませんでした。
中国の大手通信機器メーカーHUAWEI。そして、モバイル機種のシェアがAppleを抜き世界一となったSAMSUNGも、デジタル一眼レフカメラの写真を、携帯電話のカメラのサンプルとして偽装していたと摘発されています。
まとめ
Strategy Analyticsの報告書によれば、スマートフォンを利用する人の数は40億人に達したとのことです。
世界人口の約半数。つまり、80億人のうち約50%がスマートフォンを使っていることになります。
競合他社との激しい市場競争の中で、顧客の注意を引きつけるには、製品の優れた特徴や魅力を強調することが必要不可欠です。だからこそ、群雄割拠のスマートフォン市場で成功するためには、時には偽りの宣伝広告、つまりダークパターンを使わざるを得ない状況もあるかもしれません。
しかし、ダークパターンは消費者に誤解や混乱を招く可能性があり、それによって倫理的な問題も浮上します。企業が競争に打ち勝ち、市場で本当の成功を収めるためには、より透明で誠実な広告と製品提供が求められると言えるでしょう
世界を代表する企業であるGoogleが、今回の件を教訓に、信頼性と透明性を重視したビジネスモデルの構築に向けた取り組みを行うことを期待します。
参考サイト:
FTC, States Sue Google and iHeartMedia for Deceptive Ads Promoting the Pixel 4 Smartphone
Google will pay Texas $8 million to settle claims of ‘deceptive’ Pixel 4 ads
Google sued by FTC and seven states over ‘deceptive’ Pixel 4 ads