顧客の信頼を逆手に取るダークパターンとは?

世界で規制が進んでいるダークパターン

ユーザーエクスペリエンスの専門家であるハリー・ブリヌルは、2010年に「Dark Patterns」という言葉を作りました。

ダークパターンとは、ユーザーに意図せず、もしくは潜在的に有害な決定をさせることを強制したり、誘導したりする悪意のあるデザインのことです。

あなたは、こんな経験をしたことはありませんか?

  • Webサイトを退会しようとしたけど、退会のページが分からず退会できなかった
  • オンラインゲームに登録したら、勝手に友人に招待メールが送られていた
  • ECサイトで商品を購入しようとしたら、追加していない商品やオプションが勝手にカゴに入っていた

これらすべて顧客の信頼(トラスト)を逆手に取った『ダークパターン』です。日本では、まだ法整備が整っていませんが、世界に目を向けるとダークパターンを用いたサイトへの法整備が進められています。

ユーザーを 〝欺く 〟サイト設計から身を守るためにも、ダークパターンの事例を理解しておく必要があります。ここでは、実際にあったダークパターンの事例をいくつかご紹介します。

ダークパターン事例

おとり商法

おとり商法とは、おとりの情報を利用して、ユーザーに意図しない行為を実行させる悪意のあるデザインのことです。

2010年5月ナイキのサイトのダークパターン事例です。サッカーワールドカップのビデオを見ようと画面をクリックするとFacebookの「いいね」が押されるという設計になっています。

引用元:https://gigazine.net/news/20130904-dark-pattern-user-interface/

ユーザーは、ワールドカップの動画を見ようとしていただけなのに、意図せず「いいね」まで押してしまっています。目先の利益だけみれば、企業にとっては、いいね数が伸びて拡散されていくかもしれませんが、顧客視点に立つと、信頼を損ねることに繋がります。

こっそりカゴに入れる

顧客の同意なしにユーザーのショッピングカートに商品を追加するダークパターンです。購入途中で、オプションが知らない間に追加されていたり、定期購入になっていたりすることもあります。

2013年6月のPixmaniaの商品を購入画面では、「ZEN Engagement」という19.51ユーロ(約2550円)のオプションが追加されており、この画面からは解除できない状態になっているようです。

引用元:https://gigazine.net/news/20130904-dark-pattern-user-interface/

世界的企業でも行なわれているダークパターンに注意

Amazonの日用品の商品購入画面です。購入画面へ進むと、最初から定期購入にチェックがついており、単品で購入しようとしたユーザーが、定期購入をしかねません。

引用元:https://www.amazon.co.jp/

 

しかも、定期購入の値段のほうが、単品購入より安く価格表示されています。意図せず、定期購入したことが原因で、頼んだ覚えのない商品が届いたというようなトラブルも発生しているようです。

定期おトク便と明記はされているので、ユーザーを騙しているわけではないですが、ユーザーが意図しない消費行動を促してしまっているといえます。

顧客に信頼されるサイトに

利用しているサイトやサービスを一度確認してみてください。気づかないうちに、ダークパターンの罠にはまっていることがあるかもしれません。

また、サイト制作者でしたら、ご自身のサイトを顧客目線で確認することをおすすめします。

  • ユーザーの買い物かごに追加でアイテムを忍ばせようとしていませんか。
  • ユーザーに意図しない行動をとらせようとしていませんか。

他にも様々なダークパターンの種類があります。ダークパターンだと思われる部分が見つかれば、顧客視点で、改善し、顧客にとって信頼(トラスト)のおけるサイトを制作しましょう。

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