ダークパターン事例 すべての連絡先へスパムを送信する「友達スパム」

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ダークパターン「友達スパム」とは?

ユーザーエクスペリエンスの専門家であるハリー・ブリヌルは、2010年に「ダークパターン」という言葉を作りました。

ダークパターンとは、ユーザーに意図しない、あるいは潜在的に有害な決定をさせることを強要したり、誘導したり、欺いたりすることで、オンラインサービスに利益をもたらすユーザーインターフェース(UI)やデザインのことです。

ハリー・ブリヌルは、ダークパターンの認知度を高めるために、ダークパターンを12種類に分類したサイトdarkpatterns.org」を運営しています。

この記事では、その中の1つである友達スパムについて説明します。

ブリヌル氏は、友達スパムを下記のように定義しております。

The product asks for your email or social media permissions under the pretence it will be used for a desirable outcome (e.g. finding friends), but then spams all your contacts in a message that claims to be from you.

この製品は、望ましい結果(友達を見つけるなど)に使用されるというふりをして、電子メールまたはソーシャルメディアの許可を求めますが、その後、あなたからのものであると主張するメッセージですべての連絡先にスパムを送信します。

引用元:darkpatterns.org

ユーザーのアドレス帳のデータを利用して、スパムメールをばら撒く

あなたは、WebサイトやSNS、オンラインゲームなどに新規登録をしたときに「友だちを見つけましょう 」などの案内が出ているのを見たことはありませんか。多くの場合、あなたが既に登録しているSNSなどのログイン認証を求められ、そのアカウントとスマホに登録しているアドレス帳を紐づけて、あなたの知らないうちに、大切な家族や友人に勝手にスパムメールを送ってしまうのです。

では、実際に起こったLinkedInでのダークパターン事例をご紹介します。

ブロガーのDan Schlosser氏がLinkedInが行っていた「友達スパム」のプロセスについて自身のメディアで警鐘を鳴らしています。

Dan Schlosser氏によれば、ある日facebookを見ていたところ、友人の一人が思いもよらない投稿をしていたのを目にします。

「Dan SchlosserがあなたをLinkedInに招待してくれました」

彼には全く身に覚えのないメールでしたが、実際に彼の友人にこのメールが送られていたのです。

驚いたDan Schlosser氏が原因を探ると、LinkedInのアカウント作成時に自分のアドレス帳を知らぬ間に、取り込まれていたことが発覚したのです。

次に、どのような流れで知らぬ間に「友達スパム」の罠にはまってしまったのか詳しく説明します。

友だちや知人を見つけるための機能になりすます

LinkedInはすでにサービスを利用している友人をLinkedIn内で見つけるためのアカウント連携と誤解させて、実際には、登録していない、つまり、連絡先を知られていない人に宣伝メールを送るというボタンをユーザーにクリックさせていたことが発覚しました。

           

引用元:https://medium.com/@danrschlosser/linkedin-dark-patterns-3ae726fe1462#.hiqkzc1xd

ユーザーに対しては、サービス内で友人を見つけやすいように、手助けしていると思わせておきながら、実際には勝手にアドレス帳を取り込み、強制的に企業やサービスの宣伝メールが送られるという典型的な「友達スパム」のダークパターンだったのです。

モバイルゲームにも「友達スパム」の事例は見られます。

引用元:https://darkpatterns.uxp2.com/pattern/farmville-friend-spam/

ある特定のゲーム機能の利用や目標値の達成には、友達の招待が必須条件で、招待をしないとクリアできないようになっているダークパターンです。

■友達スパムの目的

アドレス帳のデーターや個人情報は、ユーザーの同意のないまま、勝手に使用される。

ユーザーの個人情報を利用したサービスの宣伝や新規ユーザーの獲得に利用される。

個人情報の取り扱いをめぐり集団訴訟も

カリフォルニア州では、「友達スパム」のようなダークパターンは違法であると判決しました。

If you’ve ever signed up, or even known anyone who has signed up, for LinkedIn, you’ve probably been on the receiving end of dozens of follow-up emails, inviting you to “expand your professional network.” These messages are virtually impossible to opt-out of. It’s a scummy use of dark UX patterns by a company that should know better. Now, LinkedIn is going to be paying for it as part of a class-action lawsuit, to the tune of $13 million.

LinkedInにサインアップしたことがあるか、サインアップした人を知っている場合は、おそらく「専門家のネットワークを拡大する」ように勧める数十通のフォローアップメールを受信して​​いることでしょう。これらのメッセージをオプトアウトすることは事実上不可能です。これは、よく知っているはずの企業によるダークUXパターンの巧妙な使用です。現在、LinkedInは集団訴訟の一環として、1300万ドルの費用を支払う予定です。

引用元:https://www.fastcompany.com/3051906/after-lawsuit-settlement-linkedins-dishonest-design-is-now-a-13-million-problem

LinkedInではスパム行為をめぐり約15億円の和解金支払いへ

メールが原因で約15億円もの支払いを命じられてしまったLinkedIn。ユーザーのアドレス帳を取り込み、その中に同様のサービスの利用者がいれば友達リクエストが送られるのは、非常に便利でユーザーにとってもありがたい機能です。

問題は、そうでない場合です。LinkedInは、新規顧客獲得のために、ユーザーの個人情報を使い、「○○さんも登録しています。今すぐLinkedInを利用しませんか。」のようなメール内容を何度も送信していたことです。

個人情報の取得とその利用範囲にはユーザーの事前同意が必要になります。無許可の第三者提供やスパム行為は、個人情報保護法や、特定電子メール法に抵触する場合もあります。

すべての連絡先へスパムを送信する「友達スパム」は、企業にとって直接的な利益に繋がるかもしれません。しかし、今回ご紹介したLinkedInの事例のようにユーザーの不満を高め、結果的に大きな代償を払うことにも繋がりかねません。

 

 

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