死後も引き落としは続く?複雑な解約方法とは?NHKが使用するダークパターン

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「亡くなって何年も経つ母宛にNHKから未払いだと多額の督促状が届いた」

以前、Twitterのある投稿に多くの反響がよせられました。

死後も引き落としが続き、解約手続きも複雑。そんなダークパターン社会問題として注目を集めています。

放送法第64条で定められている

通常、支払いをしなければ視聴が出来ないサブスクリプションサービスとは異なり、NHKは支払いをせずとも一方的に配信されます。そして、受信料の支払いは義務として定められています。

これは放送法第64条に規定されており、冒頭の投稿者のように契約者が亡くなった場合でもNHKを受信できる環境がある限り、受信料は支払わなければなりません。

参考元:NHK「受信料の支払いは義務なのか

支払わないとどうなる?

NHKから書類や訪問員が自宅に来て、支払いをするよう説得されます。それでも支払わない場合は、民事上の手続きで支払督促が行われ、最終的には給与や財産が差し押さえられることもあります。

支払っている割合は87.1%

中には「見ないから自分は払わない」という方もいると推測します。では、実際に支払っている人はどれくらいいるのでしょうか。

「あなたの世帯は、NHKに受信料を支払っていますか?」とアンケートを取ったところ、支払っている87.1%、支払っていない12.9%という回答結果となりました。意外にも大半が受信料を支払っているようです。

参考元:日本トレンドリサーチ

解約できる?解約条件と解約方法

解約できる条件

解約できる条件は以下の通りです。

(1)受信機を設置した住居にどなたも居住しなくなる場合
・2つの世帯が1つになる場合※
・世帯消滅
・海外転居 など
※ひとり暮らしの解消、単身赴任の解消など、2つの世帯が1つになる場合は、いずれか一方の受信契約が解約の対象となります。

(2)廃棄、故障などにより、受信契約の対象となる受信機がすべてなくなった場合
・受信機の撤去
・受信機の故障
・受信機の譲渡 など

引用元:受信契約はどのような場合に解約になるのか

解約方法は?かかる期間はどのくらい?

解約するには、まず電話窓口で「放送受信契約解除書」を送付してもらう手続きが必須となり、電話窓口では以下のような事項の確認があります。

  • 契約解除の理由
  • お客様番号
  • 電話をかけているのは契約者本人か
  • 現在、受信機やテレビが撤去されてあるか。
  • 携帯・スマホのワンセグ・カーナビなどの受信が可能な機器を保持・または保持する予定があるか
  • 譲渡する場合は譲渡先の氏名・住所

 

譲渡した証拠として「譲渡証明書」が必要になる場合もあります。そして、電話をかけてから解約するまでおよそ2週間から3週間かかるというのも重要なポイントです。

NHKが使用するダークパターンの種類

次に、NHKが使用しているダークパターンの種類を紹介します。ダークパターンの種類についてはこちらも併せてご覧ください。

ゴキブリホイホイ

ゴキブリホイホイは、“ユーザーがあるサービスに入るのは非常に簡単だが、抜け出すのは難しい”というダークパターンです。

詳しくはダークパターン事例 サービスの退会が難しい「ゴキブリホイホイ」をご参考にしてください。

【NHK事例】

  • 手続きをせずとも一方的に配信され、契約を結ぶ
  • 解約手続きの入り口は電話のみ。インターネットでの手続きは不可
  • 解約に至るまで2週間から3週間ほど期間が必要
  • 解約手続きの書類は、数週間経過すると解約届が無効になる恐れがある
  • 契約者本人以外が解約手続きをする場合、多くの書類や交渉が必要になる

強制的な継続性

強制的な継続性は、サービスの無料トライアルが終了すると同時に、何の告知もなくクレジットカードへ料金を請求するダークパターンです。

詳しくはダークパターン事例静かに強行される「強制的な継続性」をご参考にしてください。

  • 亡くなった後も引き落としが行われる
  • 手続きをしない限り、引き落としのお知らせ等の通知は来ない
  • 引き落とし通知手続き後、お知らせは1年に1度のみ

詐欺グラフ

報道番組などでよく見かけるダークパターン「詐欺グラフ」。NHKの番組でも以下のように使われています。スポンサーへの配慮か、もしくは視聴者の印象を操作している可能性もあります。

NHKホームページ内に解約手続きを追加

これらのダークパターンを取り入れたことにより、NHKは全国から多くの苦情を受け、令和元年行政苦情救済推進会議で以下のように改善されました。

  1.  NHK ホームページ内の「受信料の窓口」ページを利用しやすくなるよう改善
  2. 「受信料の窓口」ページに設けられている「よくある質問集」に解約手続等を追加

NHKが展開する優良サービスの紹介

ここまでダークパターンの紹介ばかりしてきましたが、NHKは学校放送番組やホームページ、イベントなど学校に役立つ情報を検索できる「NHK for School」という優れたサービスを無料で提供し、学校教育のニーズに応えています。

これは、教育テレビを放送するNHKならではのサービスといえるでしょう。

参考元:NHK for School

まとめ

恐らくサービスを提供する側からすると、遺族側から連絡や手続きがない限り、自動的な引き落としは避けられないのも事実です。

しかし、煩わしい解約プロセスや、支払いに対して不安をユーザーに抱かせてしまうといったことを続けていては、いつまでもサービス改善はできません。

まずは「ユーザーはなぜ不満をいだいているのか?」を知ることからはじめましょう。そこに改善のヒントが隠れているはずです。

ダークパターンを使用しないサイトつくりを学び、あなたのサイトの信頼性を高めましょう。


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