ダークパターン事例 静かに強行される「強制的な継続性」

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ダークパターン「強制的な継続性」とは?

ユーザーエクスペリエンスの専門家であるハリー・ブリヌルは、2010年に「ダークパターン」という言葉を作りました。

ダークパターンとは、ユーザーに意図しない、あるいは潜在的に有害な決定をさせることを強要したり、誘導したり、欺いたりすることで、オンラインサービスに利益をもたらすユーザーインターフェース(UI)やデザインのことです。

ハリー・ブリヌルは、ダークパターンの認知度を高めるために、ダークパターンを12種類に分類したサイトdarkpatterns.org」を運営しています。

この記事では、その中の1つである強制的な継続性について説明します。

ブリヌル氏は、強制的な継続性を下記のように定義しております。

When your free trial with a service comes to an end and your credit card silently starts getting charged without any warning. You are then not given an easy way to cancel the automatic renewal.

サービスの無料試用期間が終了し、クレジットカードへの請求が警告されることなく黙って開始された場合、自動更新をキャンセルする簡単な方法は提供されません。

引用元:darkpatterns.org

過去の契約をユーザーに知らせず、勝手に更新・引き落としを行う

1年前に友人や家族と取り交わした約束を覚えている人は、果たしてどれほどいるでしょうか。たとえカレンダーやスケジュールに記録したとしても、1年もたてば約束したことすら忘れていた。という人は多いと予測します。

強制的な継続性」とはサブスクリプション型サービスにおいて、年間契約や無料トライアルが終了した後、ユーザーに事前に通知をせず、勝手に更新・引き落としが行われるダークパターンのひとつであり、世界屈指の利用者数を誇るECサイト、Amazonでも行われている手法です。

 

クレジットカードの請求内容を確認をした時点で、初めて起こった事柄に気付くユーザーは多く、継続の意思を示す機会さえも与えない「強制的な継続性」を行う企業の目的・事例をご紹介します。

 

一部の企業はユーザーの「解約忘れ」を見越して行っている

多くの企業が「トライアル期間中に解約すれば、料金は請求されません」とするが、無料→有料会員への自動移行について、ユーザーに対して積極的にリマインドしようとしない。また解約する際も、ユーザーに簡単に解約させないために故意に解約プロセスを複雑にする「ゴキブリホイホイ」のダークパターンが使われるケースもある。

引用元:https://twitter.com/dtc21496/status/1428127747654635525

 

高額な年会費の発生

一週間の無料トライアル終了後にアプリ年会費 5,100円が発生するなど、高額で悪質な事例も報告されています。

引用元:https://twitter.com/rsk_xx_5_9/status/1198939396617097216

 

気付くことが困難な小さく書かれた更新の注意書き

思わず見落としてしまうほど小さな文字で書かれた「契約の更新は自動的に行われ、継続しないことを選択しない限り、自動的に更新されます。」といった更新に関する注意書きは、サブスクリプションだけでなく定期購入サイトでも同様の手口があり、以下の内容が挙げられます。

①「初回お試し」「初回100円」など、魅力的なオファーを提示するが、サイトのフッターに契約期間の縛りなどの条件が小さく表示されている。

②表示に気付かないユーザーに購入意思の確認を行うことなく、勝手に商品が送られてくる。お試し月の後、6ヶ月分の商品が届けられ高額な請求がされるなどの事例も。

 

これらのサブスクや定期購入トラブルに関して、消費者生活センターには毎月500件ものクレームが届き、ニュースにもなりました。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=a434_wOe5qA

消費者庁「特定商取引法・預託法等の改正について」では詐欺的な定期購入商法について厳罰化されるといった内容が記載されており、令和4年6月1日から施行されます。

複雑なサブスクリプションの自動更新・解約手続き

こちらの「解約できない!ディズニープラスの複雑な退会プロセス」の記事でも触れていますが、ユーザーが年間契約更新前にサブスクリプションの自動更新の設定、または解約を手続きする際、完了までにトップページから十数ページ遷移する場合もありました。パソコンやスマートフォン、いずれも同様です。そして 手続きの途中には、退会のデメリットが提示されるなど、思いとどまるよう促される場面もありました。これらは、上記でもあげていたゴキブリホイホイのパターンです。

継続するか否かの決定権

ほとんどの企業が有効期限の更新日が近づいたとしても、企業は電子メールのような通知やリマインダーをユーザーに送信することはなく、静かにサブスクリプションのサービスは継続され、引き落としや課金が行われます。サービスの年間プランを継続するか変更するかの決定権をユーザーが持つ可能性は、ほとんどありません。

企業のインターフェース表示

強制的な継続性に反発した多くのユーザーに対し、謝罪・返金保証の内容メールが届いた事例もありました。そして、そのメール文面には「自動サブスクリプション更新を停止するためのガイド方法」も記載されていました。つまり「このようなことが二度と起こらないようにする方法について」のチュートリアルであり、ユーザー自身に「自分の身は自分で守るように」という意思確認と働きかけともいえます。意図的に示されたこのインターフェースは、UXデザイナーによって設計されたものでした。

ユーザー(消費者)の立場に立って

ダークパターンを強行する企業は、ユーザーが不信感を抱き、離脱する可能性を懸念しなければなりません。では、どうすれば改善することができるか。それは不満を受け止め、常にユーザーの立場に立って「私だったらどう対応されたいか」を個々で考え、企業全体として道徳的な方針を示し、改善に取り組む必要があります。

少額だと返金されない場合も

一部の企業は、少額の料金だと返金請求に応じない場合もあります。

Any IT company can have so many subscriptions that if it is a smaller fee like my 96 USD, it might slip. 

どのIT企業も非常に多くのサブスクリプションを持つことができるので、私の96米ドルのような少額の料金だと、スリップする可能性があります。

引用元:https://uxdvision.com/blog/2018-09-27/the-dark-pattern-of-forced-continuity-on-the-web.html

強制的な繋がりでなく、信頼性のある繋がりを

静かに行われる強制的な継続性は、企業にとっての直接的な利益に繋がるかもしれませんが、ユーザーの不満を高め、イメージダウンのみに留まらず、結果的に対応コストを高め、企業にとっての不利益にしかなりません。

目先の利益だけではなく、満足度を重視した組織作り、そして信頼(トラスト)のあるサイトを構築することがコンバージョン率を高める結果となり、自ずと利益に繋がることでしょう。

 

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