【まとめ】ダークパターンと心理的行動の関係について

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ダークパターンは、ユーザーが無意識に不利な行動を取るように設計されたデザインであり、より多くのお金を支払わせ、より多くの時間を使わせ、そして多くの個人情報を抜き出すためなどの目的で、行動心理を悪用したものです。

倫理的な行動が推奨されている世界情勢とは裏腹に、ユーザーをあざむくUIであるダークパターンの蔓延が明らかになっています。

2019年にプリンストン大学が行った報告書によれば、11,000のショッピングサイトの約53,000の商品ページを分析した結果、調査対象のサイトの11%がダークパターンを使用していることが判明しました。

このように私たちの身近に潜むダークパターンは、心理的行動と深い関わりがあります。

今回は、ダークパターンと心理学の繋がりについて書かれた当サイトの記事をもとに、まとめて解説していきます。

参考元:https://www.toptal.com/designers/ux/dark-patterns

ダークパターンと心理学についての記事3選

メンタルモデル心理学

メンタルモデルとは、私たちが持つ心の中の枠組みやモデルのことです。これは、私たちが経験や学習を通じて形成された、物事を理解し、予測し、行動するための内部的なイメージや認識です。

例えば、車のメンタルモデルでは、私たちは車が前進や後退できること、ハンドルを回すと方向が変わることなどを知っています。これらの知識をもとに、私たちは車を運転する際に適切な操作を行います。

 

デザインやUI(ユーザーエクスペリエンス)の観点では、メンタルモデルを理解し、ユーザーがシステムや製品をどのように認識し、操作するかを考慮することが重要です。

また、ダークパターンもユーザーのメンタルモデルを悪用する手法の一つとして取り上げられることがあります。有名な例として、MicrosoftのWindows 10へのアップデートが挙げられます。

Windows 10のアップグレードの×ボタン

ユーザーにWindows 10のアップデートを促すため、ダークパターンとして×ボタンをインストールボタンに偽装するデザインが問題視されました。このデザインは、「×ボタン=閉じる」を連想させるメンタルモデルを悪用しており、多くのユーザーから苦情が寄せられました。

他の詳しい事例については、以下の記事をぜひご覧ください。

メンタルモデルの心理学を逆手に取った信頼を失うデザイン

プロスペクト理論

【本日で〇%引き終了】【〇円引きは今日まで】といった表現を使うことで、緊急性を高めてユーザーを引きつけるダークパターンが存在します。

この場合、人々はプロスペクト理論という「損をしたくない」と思うあまり、普段しないような非合理的な行動をとってしまうという理論に基づいて行動します。

終わりが曖昧な“期間限定”

一見お得に感じる期間限定の商品やセールですが、実際には期限が明記されず曖昧な表記を続けて販売しているダークパターンが存在します。

損をしたくないプロスペクト理論を悪用したダークパターンを以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

【プロスペクト理論】緊急性が顧客心理に与える影響とダークパターン

サンクコスト効果

サンクコスト効果は、私たちが過去に投資した時間や労力に基づいて行動を継続する心理的な現象です。この心理現象は、オンラインショッピングにおける「カゴ落ち」への対策と密接な関係があります。

最後の決済時に予期せぬ支払い

Baymard Instituteの調査によると、カゴ落ち率は約69.8%と半数以上を占めると報告されており、企業にとっては回避すべき重要な課題です。そこで、最終的な支払い時に追加費用を提示することでカゴ落ちを防ぐダークパターンが存在しています。

このときユーザーは「せっかくここまで買い進めたのだから…」というサンクコスト効果が働き、最終的に購入してしまうのです。

詳細については以下の記事をご覧ください。記事の中では適切なカゴ落ち対策についても解説しています。

ユーザーをだますカゴ落ち対策とは?心理効果と適切なアプローチ3選

まとめ

ダークパターンとユーザーの心理的行動の関係について、当サイトの記事をもとに解説しました。

ユーザーが「少しでもお得に買い物をしたい」という消費者の心理につけ込むダークパターンは、ユーザーに大きな被害をもたらす可能性があり、世界的な規制の必要性が浮き彫りになっています。

実際に、国境を越えた不正な取引行為を防止するための国際ネットワークICPEN詐欺防止月間の2023年のテーマとして、ダークパターンに対する詐欺防止が選ばれました。

これは、消費者保護を強化するための取り組みであり、ダークパターンに対する規制の強化は、売り手と買い手が信頼性の高い関係性を確立するために重要とされています。

多くのユーザーは、「ダークパターン」という用語を知らず、単に「よくある罠」として受け止め、諦めてしまうことが大半でしょう。しかし、一度引っかかった罠に対しては警戒心を持つようになります。

肝要な点は、ダークパターンは永続的ではないということです。

最初のステップは、ユーザーの不安を理解することです。リスクを排除し、ユーザーの信頼と満足度を確保する必要があります。

ユーザーとの信頼関係を強化するために、ダークパターンとは何かを理解し、ダークパターンを回避するための手法を学びましょう。

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