ユーザーをだますカゴ落ち対策とは?心理効果と適切なアプローチ3選

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オンラインショップで商品を選んでカートに入れたものの、最終的に購入しなかった経験はありませんか?それは、「カゴ落ち」と呼ばれる現象です。

69.8%も起きている「カゴ落ち」とは?

Baymard Instituteの調査によると、カゴ落ち率は69.8%にものぼるとされています。つまり、10人中7人以上が商品をカートに入れたものの、購入までには至らないということです。

カゴ落ち率が高い原因はさまざまですが、主なものとして

・送料や返品、返金など情報がない
・新規会員登録(アカウント登録)を要求された
・配達されるまでの期間が長い
・購入までのプロセスが複雑すぎる

といったものが理由として挙げられます。

カゴ落ち対策として使われるダークパターン

しかし中には、カゴ落ち対策を行うためにユーザーの心理的な弱点をついて誘導するダークパターンが存在します。

ダークパターン事例「隠れたコスト」

購入を検討している段階では手数料や送料などは明記せず、最後の決済時に初めて追加費用をユーザーに請求・提示することでカゴ落ち対策をとるダークパターン「隠れたコスト」と呼ばれるものです。

確かに効果はあるかもしれませんが、このような手法はユーザービリティに欠けるデザインと捉えられてしまいます。

詳しくはダークパターン事例 最後に予想外の料金が発生する「隠れたコスト」をご覧ください。

 

最終的には「せっかくここまで買い進めたのだから、購入しようかな」という気持ちが働き、購入に至ることが予想されますが、このとき人はある心理現象によって物事を判断しているのです。

「せっかくここまでやったから」サンクコスト効果

その心理現象とは、既に費やしたコスト(時間やお金など)によって、その後の行動が左右される心理“サンクコスト効果”といいます。

つまり、過去に投資したコストを無駄にしたくないという思いから、本来選択しないような選択肢を選んでしまったり、継続することを決めたりすることです。

ギャンブルで例えるサンクコスト効果

あなたがパチンコで1000円を使ってしまったとします。最初のうちはあまり勝てず、さらに3000円を費やしてしまいました。

しかし、最後に1回転で10000円を獲得できた場合、多くの人は「せっかくここまでやったのだからもう少し打ってみよう」と思うことがあるでしょう。

これは、これまでに費やした金額を無駄にしたくないというサンクコスト効果が働いているためです。

サンクコスト効果と似た心理的効果としてコンコルド効果やプロスペクト理論があげられます。プロスペクト理論についてはこちらの記事をご参照ください。

マーケティングで活用されるサンクコスト効果

サンクコスト効果はマーケティング手法としてよく活用されており、以下は手法の一例です。

・無料体験や無料トライアルを提供

・付録付きの月刊誌

・会員ランク制度の導入

参考:サンクコスト効果とは|誰もが経験ある事例で解説

サンクコスト効果事例:31日間無料トライアルを提供するU-NEXT

 

U-NEXTでは、有料利用を促進するため「31日間無料トライアル」を実施しています。

このトライアルでは、ユーザーが商品やサービスを実際に体験してもらい、満足してもらうことで他に動画配信サービスがたくさんある中でも

「また登録するのは面倒だから、思い切って有料会員になろう」

といったサンクコスト効果が生まれます。

さらに、「登録は3ステップで簡単。いつでもすぐにキャンセル(解約)できます。」という魅力的なコピーは、カゴ落ち対策としても有効です。

おすすめのカゴ落ち対策3選

ユーザーをだますカゴ落ち対策とその心理効果がわかったところで、次にダークパターンを使わずに効果的なカゴ落ち対策を3つご紹介します。

追加コストが発生しないデザインとマイクロコピーの追加

SEOのプラグインを販売する企業では、ショッピングカートの支払い確認画面に「there will be no additional costs(ここから追加のコストは発生しません)」というマイクロコピーを追加したことにより、成約率が11.30%アップしました。

 

参考:ECサイトの売上を劇的にアップさせる8つの【カゴ落ち対策】事例

「カートに入れる」ボタンを商品画像の下に常に表示したCTAボタン

商品の詳細ページで、サイズを選択するボタンと「カートに入れる」ボタンを商品画像の下に常に表示されるように変更。そうすることで商品選択のフローがわかりやすく、タスク完了までのステップが短くなり、注文数は4.1%改善されました。

参考:【売上増加】カゴ落ち対策のマイクロコピー3選!原因を解決して売上を伸ばす方法

参考:【ABテスト事例】常に表示される「カートに追加する」ボタンは効果的?

カゴ落ちメールを配信して「買い忘れ」を防ぐ

専門知識がなくてもECサイトを構築できるプラットフォームShopifyでは、カゴ落ちしたユーザーにメールを自動送信するように設定できます。一度商品をカゴに入れたユーザーを呼び戻すのに効果的な方法です。

参考:今すぐ売り上げが向上する!Shopifyのカゴ落ち対策まとめ

まとめ

今回は、ユーザーをだますことを目的としたダークパターンを用いたカゴ落ち対策と、その心理的効果について解説しました。

カゴ落ち対策は離脱率を下げるために非常に効果的な方法ですが、ダークパターンを使用してしまうと、結果的にユーザーはサイトに対して不満を抱き、離脱してしまう可能性があります。

ユーザビリティを高め、倫理的(エシカル)な考慮をしたサイト作りこそが、最終的にユーザーの信頼を高めることにつながります。

あなたのサイトは誤ったカゴ落ち対策をしていないでしょうか?

ビジネスを成功させるためにも、今からダークパターン学びましょう。

Twitterでダークパターンリーク(#ダークパターンリーク)や企業のサイト改善PRも受け付けています。異論・反論もお待ちしています。

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