「見た目が9割」はウェブサイトにもあてはまる?

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「人は見た目が9割」という書籍をご存じでしょうか。
「メラビアンの法則」を用いて、見た目の重要性を説いた、竹内一郎さんの2005年のベストセラーです。

例えば、いつも髪は乱れ、身なりはジャージまたはTシャツにデニム、  外出時は自転車を使用している大学生ほどの青年が、高級マンションで一人暮らしをしていたら「彼は裕福な家庭育ちなんだろう。彼の実家は裕福なのだろうか?」と感じる方は多くいるでしょう。

反対に、いつも奇麗にスーツを着こなし、磨かれた靴を履き、髪をきちんと整えている男性を見かけたら、彼は仕事のできる人に見えるでしょう。


顔などの生まれ持った見た目だけではなく、身だしなみや持ち物などのさまざまな要素が加わり、『見た目』が『人柄・人間性』として判断されてしまいます。

つまり、他人から”自分はどう認識されているか”を意識することがとても重要になるのです。

では、同様にウェブサイトはどうでしょうか?

今回は、ダークパターンを使わずに、ウェブサイトの『見た目』をどのように変えることでコンバージョンを高められるかを、事例を交えて解説します。

『見た目』がもたらす影響力とは?

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、コミュニケーションをとるとき、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で相手に影響を与えることを示した心理学上の法則です。
これは1971年にアメリカの心理学者、アルバート・メラビアンによって提唱されました。

もともとは、言葉に対して感情や態度が矛盾していた場合、人はそれをどう受け止めるのかという実験でしたが、非言語コミュニケーション(聴覚情報と視覚情報)が優先される割合は93%であるという実験結果が注目されるようになりました。

その結果から、「話の内容より見た目が一番重要」という結論が導き出され、その解釈が有名になってしまいました。

しかしながら、一般的に人は見た目を気にする傾向があるため、メラビアンの法則を理解し、上手に活用することでさまざまなメリットを得ることができるでしょう。

見た目の重要

同じ商品を扱ってるのに、売れるサイトと売れないサイトがあるのには、『見た目の秘密』が隠されています。
日々多くのウェブサイトを目にするうちに、あなたの顧客も『見た目』を基準にウェブサイトを疑り深く選んでいます。

あなたは、以下のような疑問をウェブサイトで抱いたことはありませんか?

・なぜ、NPOの募金サイトには子供の写真が採用されているのか
・なぜ、ハイブランドの広告には白人のモデルが主に登場するのか
・日本の通販企業が「モンドセレクション」のロゴの使用権のために高い申請料を支払う理由は何か
・なぜ、化粧品やサプリメント、健康グッズの通販ページには白衣を着た医者の写真、顧客のアンケート用紙が掲載されているのか

引用元:https://ulunom.tokai.jp/news/detail/1212

実はこれらのウェブサイトには、売上を伸ばす大きな手がかりが隠されています。
それは、ウェブサイトの印象・見た目は売上に大きな影響を与えるということです。

ウェブサイトの見た目が悪かった場合、どのような影響があると考えられるでしょうか?

・正規販売店なのに素人のドロップシッピングサイトだと思われる
・ファッションサイトなのに「センスがない」と思われ、ページから離脱される
・商品が届くのか顧客に不安に感じさせてしまう

「見た目」がもたらす影響力は、この20年間の膨大な実験ですでに何度も証明されていますが、これは人間のコミュニケーションにとどまらず、ウェブサイトでも同様に、大きな影響力を持っています。

『見た目』をウェブサイトに応用するには

「見た目の心理技術」をウェブサイトに応用するにはどうすればいいでしょうか?

例えば、ウェブサイトのデザインを美しくすることや豪華な画像を使用すること、かっこいいデザインをデザイナーに依頼することが考えられますが、これらの手法はすでに多くの企業が失敗してきたものです。

高級感がある、洗練されたデザインを採用したからといって、必ずしも商品が売れるとは限りません。

では、どうすればいいのでしょうか?

そこで、顧客に信頼されるデザインを採用することをおすすめします。
これには、原則に基づいたリサーチの方法があり、「信頼をデザインする」原則があります。

成約率が107%上昇した腕時計販売サイトの事例

腕時計の販売サイトで、オリジナルの「最低価格保証」のロゴを公式ブランドロゴに変更したところ、成約率が107%上昇しました。

このわずかな変更が大きな効果を生んだのはなぜでしょうか。

それは、海外に多数存在する偽ブランド販売サイトによって、顧客が「本物かどうか?」を心配していたことが主な要因だからです。

公式ロゴを採用したことで、顧客からの信頼を獲得し、大きな効果をもたらしました。これは、公式ロゴが「本物」であることを示す証拠として機能したためです。

現代の顧客は多くのサイトを見るため、小さな違和感や不信感でもサイトを離れてしまうことがあります。
そのため、今、顧客が何を最も信頼しているのか」という観点から、ウェブサイトを改善する必要があります。

現代は、消費者の「安心」や「信頼」を得る広告が売れる時代に変化しています。

フランスでは、広告のモデルのフォトショップ加工に規制が入り、「photographie retouchée(修正写真)」というマークを付けることが義務付けられています。


引用元:https://www.frankwbaker.com/mlc/what-you-see-magazines/

まとめ

人間のコミュニケーションにおいて、印象の大部分は『見た目』に左右されるという「見た目の法則」は、ウェブサイトにおいても同様に適用されます。

ウェブサイトのデザインコンセプトに苦慮した時間や、「もうかるデザイン」の理解不足による損失など、これらの負の時間やコストを削減するメリットは、どの程度のものでしょうか。

このようなデザインの原則を把握し、ウェブサイトに適用するか否かで、結果は大きく変わってくるでしょう。

現在、日本でもダークパターンに関する規制強化が進んでいます。
このような状況下において、顧客を欺いたり誘導したりせずに、信頼できるデザインの知識を持つことは、今後のビジネス社会での成功に不可欠な要素となるでしょう。

ダークパターンを使わずに、顧客が信頼できるデザインを使用することで、コンバージョン率を高め、売上を増やすことができます。

顧客が信頼するものに焦点を当てた分析を継続し、ビジネスに生かしていきましょう。

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