ダークパターンとは、インターネットのプラットフォームがユーザーを騙し、やりたくないこと…あるいは、ユーザーが気づかないうちにクリックさせる手法のことを指します。
Maricarmen Martinez Neumannは、欧州政策分析センター(CEPA)の元デジタル政策研修生で、以前は在ベルギー米国大使館と欧州連合米国代表部に勤務していました。
Gabriel Delsolは、欧州政策分析センター(CEPA)のデジタル・イノベーション・イニシアチブのプログラムアシスタントです。
*欧州政策分析センターとの共同執筆による分析 https://cepa.org/banning-dark-patterns-far-from-a-light-task/
ダークパターンは、大西洋の両側に位置する国々で大きな問題になっています。欧州では、欧州議会がデジタルサービス法(DSA)で禁止するよう求めており、米国では、州や連邦の議員たちが、ダークパターンを阻止するための提案を試みています。
しかし、こうした取り組みには、ダークパターンをどのように定義するかという大きな課題があります。欧米の政策立案者は、人を欺くようなユーザーインターフェースは違法とすべきだという点でおおむね一致しています。
正当なマーケティングとダークパターンの境界線とは何なのでしょうか?
これに対する明確な答えはありません。
この課題は、急速に進化する技術に対応するルールを策定するという、技術規制の広範な問題の根底にあるものです。
欧州のDSAで要求されるコンプライアンスレベルを決定する指標として提案された、「アクティブユーザー」をどのようにカウントされるか、別の例で考えてみましょう。
Facebookのユーザーがニュースフィードを閲覧することと、Amazonの購入者が商品を購入することは同じなのか?閲覧だけで何も購入しないユーザーは買い物客としてカウントされるべきなのか?同じユーザーがパソコン、タブレット、携帯電話という異なるデバイスを使用している場合、どのようにしてオーバーカウントを回避できるか?
関係者はこの答えに窮しています。
ダークパターンに関する、心理的なトリック、ごまかし、操作を非合法化することは、誰もが認めるところでしょう。問題は、何が違法なのかを見極めることです。
オンラインで出版物を購読し、特別価格を提示され、後に購読の取り消しがほぼ不可能であることに気づくことや、無料トライアルを受けたもののトライアル終了後に予期せぬ請求に直面したらどうでしょう?
Amazonのワンクリック購入システムはダークパターンでしょうか??それとも、これは正当な顧客のメリットでしょうか?
UberEatsのアカウント作成のためにFacebookのプロフィールを追加するのは簡単ですが、それは企業の利益のために追加データを付与していることになるでしょうか?
最近の研究では、この定義づけの難しさが浮き彫りになっています。
経済協力開発機構(OECD)の報告書では、「ダークパターンは、その普及を証拠として、格差を示す傾向がある」と結論づけています。私たちは「さらなる証拠を集める」必要があるのです。
大西洋の両側に位置する国々では、プライバシーに関する法律がすでにこの問題の解決を試みています。
米国カリフォルニア州の消費者プライバシー権法(CPRA)は、操作的なユーザー・インターフェースを通じて得た個人情報の販売や共有を禁じています。
連邦レベルでは、オンラインユーザーに対する欺瞞的体験の削減(Deceptive Experiences To Online Users Reduction:DETOUR) 法が提案されており、大規模なオンラインプラットフォームが消費者データを取得するためにダークパターンを使用することを禁止しています。
欧州では、個人情報の悪用から消費者を保護するため、一般データ保護規則(GDPR)が制定されました。
しかしそれは、ダークパターンへの明確なフォーカスが欠けています。
各国の規制当局は、個別でのケースを提示しています。
今年の初め、フランスのデータ保護庁は、Facebook、YouTube、Googleが消費者を騙してクッキーを受け入れたとして、2億ユーロ以上の罰金を科しました。
最終的なDSAはまだ交渉中ですが、ダークパターンの広範な禁止が含まれることになるそうです。しかし、交渉ではまだ明確な定義がなされていないため、今後数年のうちに委任法が必要になるかもしれません。
アクションはいくつかの明確な指示に焦点を当てるべきです。
プラットフォームは、オプトアウト、アカウントの削除、データ収集量の制限を簡単に行えるようにすることを義務付けるべきでしょう。
また、大西洋の両側の国々で同様のルールが課されれば、それはより効果的でしょう。ダークパターンなどのテーマは、今後開催される貿易技術会議のパリ会議の議題の中に含まれるべきです。