意図的にユーザーを欺き、だますデザイン「ダークパターン」は、簡単かつ低コストで大きな利益を生み出します。
国内大手のECサイトでも、メールマガジン購読のチェックボックスに、あらかじめチェックを入れておき、多くの購読者を獲得するダークパターンが使われています。
ですが、おいしい話には、必ず裏があります。
ダークパターンを取り入れた代償として、ユーザーからの信頼を失うだけに留まらず、企業のために働くスタッフに重い負担を背負わせてしまう恐れもあります。
今回は、ダークパターンを使わないことで、スタッフへの負担を減らすことができる3つのメリットについてご紹介します。
目次
カスタマーサポートへの負担を減らす
カスタマーサポートと同様、ユーザーと企業とのファーストコンタクトとなるコールセンターでは、転職理由の第一位が「ストレスの多さ」となっています。参照元:株式会社ビズヒッツ
顧客からのクレームは、カスタマーサポートへの心身的ストレスに直結するだけでなく、電話やメールの対応に追われ、そのための人件費も膨らみます。
ダークパターンによって生じたクレームが多く寄せられた、以下の記事も併せてご覧ください。
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返品率の増加を防ぐ
不満を抱いた顧客が、商品を返品する可能性が高くなります。返金や返送作業に追われるだけでなく、負担をめぐって顧客とトラブルに繋がる恐れもあります。
ダークパターンによって起こったトラブルについては以下の記事も併せてご覧ください。
人材採用のコスト削減に
スタッフの離職率が高まった結果、検索したときにネガティブなキーワードが表示されたり、会社の口コミサイトや求人媒体にネガティブレビューを書かれる可能性も秘めています。
口コミやレビューの影響力は強く、総務省によると「レビューをどの程度参考にするのか」とアンケートを実施したところ「かなり参考にする」と「まあ参考にする」を合わせると、6割もの人がある程度レビューを参考にしていることがわかっています。
まとめ
売り上げを上げるという目標は、会社全体で同じであることは間違いありません。
しかし、ダークパターンに依存したビジネス展開は、いつかはユーザーからの信頼を失うだけでなく、支えてくれるスタッフからの信頼も失うことになります。
誰もが意図せずにダークパターンを使ってしまう可能性があります。ダークパターンへの理解を深め、あなたのビジネスを守りましょう。
■この記事は書籍『ザ・ダークパターン』を参考に作成しています。(参考文献:仲野佑希著 『ザ・ダークパターン』翔泳社 2022年8月)