情報設計

送料や手数料の情報が小さいと誤解を招くことはありませんか?

Q
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商品の見せ方を工夫する中で、送料や手数料の表示が小さくなったり、目立たない位置になってしまうことがあります。
こうした費用が分かりづらいと、ユーザーに誤解や不信感を与えてしまうのでしょうか?
A
送料や手数料の情報を小さな文字で表示したり、目立たない場所に配置することは、ユーザーの誤解を招く大きな原因になります。
このような手法は「隠れコスト」や「ドリップ価格表示」と呼ばれるダークパターンの一種で、ユーザーが最終的に支払う金額を正確に把握できないよう意図された設計と見なされることがあります。

たとえば、商品価格は大きく表示しながら、送料や決済手数料、税金などの追加費用を購入プロセスの後半で初めて表示する場合、ユーザーは「思ったより高い」と感じて購入を取りやめる可能性が高まります。
このようなカート放棄はコンバージョン率の低下だけでなく、サービスへの不信感や悪評の拡散にもつながります。

さらに、多くの国や地域では「総額表示義務」や「誤認表示の禁止」などの法規制が存在しており、不適切な表示は景品表示法や消費者保護法に違反するリスクもあります。

誤解を防ぎ、ユーザーにとって信頼できる情報提供を行うためには、以下のような改善策が有効です。

1. 商品価格と同様に、送料や手数料も目立つサイズ・色で表示し、視認性を確保する

2. 商品一覧ページや商品詳細ページなど、購入初期段階から総支払額を明示する

3. 「本体価格:〇〇円+送料:〇〇円(合計〇〇円)」のように、料金の内訳を明確に提示する

4. 注文確定前の確認画面で、再度すべての費用を一覧表示し、ユーザーが納得した上で決済できるようにする

5. 利用規約やFAQにも追加料金に関する説明を記載し、問い合わせやクレームの予防につなげる

このような透明性と誠実さを重視した設計は、ユーザーの満足度を高めるだけでなく、長期的な信頼構築とリピート購入の増加にも寄与します。
「後で気づく」のではなく、「最初から分かる」情報設計こそが、健全なEC・サービス運営の鍵です。

解説

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