ボタンの見た目と動作が違うとユーザーの信頼を損ないますか？

ボタンの見た目やラベルと、実際の動作が一致していないUIは、ユーザーの信頼を著しく損なう要因となります。
このような設計は「誤誘導インターフェース」や「欺瞞的UI」とも呼ばれるダークパターンの一種で、意図しないクリックや行動を誘導することで成果を上げようとする不誠実な手法です。

たとえば、「キャンセル」ボタンを押したはずが購入完了ページに進んだり、「×」マークを押したら広告にリダイレクトされたりするケースは、ユーザーにとって「誤クリック」による混乱を引き起こしやすく、不快な体験となります。
このような体験が繰り返されると、ユーザーはそのサービス全体に対して不信感を持ち、離脱やブランド離れにつながります。

インターフェースの一貫性と予測可能性は、UIデザインの基本原則です。
利用者は視覚的な情報と過去の経験に基づいて操作を判断するため、表示と動作のずれがあると「騙された」と感じてしまいます。

この問題を避け、信頼されるUIを実現するためには以下のような対策が有効です。

1. ボタンのラベルと実際の動作を常に一致させ、曖昧な文言は避ける

2. 「申し込む」「保存」「キャンセル」など、具体的なアクション内容を正確に示すラベルを使う

3. 主となる操作と副次的操作のボタンデザインを色や配置で視覚的に区別する

4. ユーザーが操作の結果を事前に予測できるようにする工夫（例：ツールチップや事前の説明）を取り入れる

5. ユーザーテストを実施し、混乱や誤認がないかを定期的に検証する

誠実で予測可能なUI設計は、短期的な成果よりも長期的なユーザーの信頼構築につながります。
安心して操作できる環境を整えることが、ブランドの信頼と継続的な利用を支える鍵です。