情報設計

サービスの料金プランを比較しにくいUIは問題ですか?

Q
動画学習サービスの料金プランページを設計しています。
「月額1,200円(年払い換算)」などの表現が多く、月額と年額が混在して比較しにくい構成になっています。
このように料金プランの表記が分かりづらいUIは、透明性を損ねますか?ダークパターンと言われないか心配です。
A
料金プランの表記をわざと複雑にし、比較しにくくする設計は、ユーザーの意思決定を妨げる典型的なダークパターンの一種です。
たとえば、月額と年額が混在していたり、初月無料や一時的な割引が強調されて実際の支払総額が分かりにくかったりする場合、ユーザーはどのプランが本当に自分に合っているのか判断しづらくなります。

このような設計は「比較妨害」や「複雑性操作」とも呼ばれ、合理的な選択を難しくするだけでなく、結果として不本意な契約や誤解に基づく購入を誘発します。
実際、消費者庁もこうした料金表示の不透明さについて注意喚起を行っており、景品表示法や消費者契約法の観点からも問題視される可能性があります。

ユーザーに対して誠実でわかりやすい料金表示を実現するためには、次のようなデザイン改善が有効です。

1. すべての料金プランを月額や年額など、同一の基準で表示し、比較をしやすくする

2. 割引後の金額だけでなく、通常価格や契約更新時の金額も併記し、全体像を見せる

3. プランごとの機能や制限を一目で比較できる表形式の一覧を設ける

4. 専門用語を避け、誰でも理解できる明快な言葉でプラン内容を説明する

5. 利用期間や使用量に応じた総額を自動で計算する簡易ツールを用意する

このように透明性を重視した料金表示は、ユーザーが安心して選べる環境を提供し、結果として顧客満足や信頼の向上につながります。
複雑さで惑わすのではなく、明快さで選ばれるサービスを目指すことが、長期的な成功の鍵です。

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