情報設計

戻るボタン操作で知らないページが表示されるのは問題でしょうか?

Q
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ユーザーが「戻る」ボタンを押したとき、本来の前のページではなく広告など別の画面が表示される挙動をさせています。
こうした動きはユーザー体験や信頼性の面で問題になるのでしょうか?
A
ユーザーがブラウザの「戻る」ボタンを押したときに、直前に見ていたページではなく、意図しない別のページが表示されるのは大きな問題です。 このような手法は「履歴操作」や「ナビゲーション妨害」と呼ばれるダークパターンの一種であり、ユーザーの予測可能な操作を意図的に妨げる行為です。 通常、ユーザーは戻るボタンを押すことで、1つ前のページに戻ることを期待しています。 しかし、JavaScriptやリダイレクトを使って履歴を操作したり、ページを挿入したりすることで、戻るボタンの動作を改変することが可能です。 これによりユーザーは「戻ったはずなのに知らないページに飛ばされた」と混乱し、サイトに対する不信感やストレスを感じるようになります。 特にEコマースやニュースメディアなど、信頼性が重要なサイトでこのような仕組みが使われていると、ブランド全体への悪影響につながります。 また、こうした挙動はユーザーの離脱率をかえって高めるほか、ブラウザベンダーやプラットフォームによっては制限対象となる可能性もあります。 ユーザーに誠実なナビゲーション体験を提供するためには、以下のような改善策が重要です。 1\. ブラウザの戻るボタンの標準的な動作を尊重し、JavaScriptなどで履歴を不自然に操作しない 2\. すべてのページ遷移やナビゲーション操作がユーザーの期待に沿った結果をもたらすように設計する 3\. 関連コンテンツや広告は別導線として表示し、ユーザーが自分の意思で選択できるようにする 4\. ページ遷移時には読み込みアニメーションやタイトル変更などで、今いる場所が変わったことを明確に示す 5\. サイト離脱を妨げるのではなく、ユーザーが自由にサイトを離れられる環境を確保する このように、ナビゲーションにおける誠実さと透明性を確保することが、ユーザーとの信頼関係構築につながります。 短期的なページ滞在時間やPVよりも、長期的なユーザー満足と再訪率を重視することが、持続可能なWeb設計の基本です。

解説

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