情報設計

トライアル後に自動課金されることを明示しないのは不適切ですか?

Q
美容系サブスク商品のトライアル申込みページを設計しています。
初回無料を大きく打ち出す一方で、自動課金の条件はページ下部に小さく記載されている構成になっています。
ただ、「知らないうちに請求された」と感じられてしまうことはないでしょうか?
A
無料トライアルの終了後に自動で課金が始まるにもかかわらず、その事実が明示されていない販売ページは、ユーザーの信頼を損なう非常に不適切な設計です。
こうした手法は「サブスクリプショントラップ」や「隠れ自動課金」と呼ばれ、ダークパターンの一種として多くの国で問題視されています。

特に日本では、消費者庁が注意喚起を行っており、特定商取引法のもとで自動課金に関する情報を事前に明示することが義務づけられています。
明示しなかった場合、消費者契約法違反とみなされるリスクがあり、企業は行政処分や賠償責任を負う可能性があります。
また、突然の課金に対するユーザーの反発は、クレジットカード会社への苦情やSNSでの批判拡散につながることもあります。

このような事態を防ぐには、以下のような誠実なデザインと情報提供が不可欠です。

1. 登録ページに「〇日後に月額〇円で自動課金が開始されます」と明記する

2. 自動課金に関する情報を強調表示し、視覚的にも見落としにくくする

3. 「自動課金が開始されることを理解しました」といったチェック項目を追加する

4. トライアル終了前にメールやアプリ通知などでリマインドを送る

5. 解約手続きの方法を明示し、誰でもすぐにキャンセルできる環境を整える

このような対応は、ユーザーの意思決定を尊重するサブスクモデルの基本であり、ブランドの信頼性と継続的な利用意欲を高める鍵となります。

解説

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