「サブスクの解約をわかりやすく」改正消費者契約法とは?

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サブスクを解約したいのにできない――。そうしたトラブルを受けて、解約手続きに必要な情報提供の努力義務を事業者に課すことを盛り込んだ改正消費者契約法が25日、参院本会議で可決され、成立した。引用元:朝日新聞デジタル

令和4年5月25日。改正消費者契約法が成立しました。

この法律により、消費者を欺くインターフェースやデザインであるダークパターンの防止に繋がることが期待されます。解約をわかりにくくするダークパターンの詳細や事例についてはこちらをご参照ください。

今回は、法律が改正されるまでにいたった経緯や、現代におけるサブスクリプション(以下サブスク)のニーズ。そして、事業者が利用者のために示すべき対応を、有名動画配信サービス企業の成功例をあげながら解説していきます。

消費者契約法とは

平成13年4月1日に施行された「消費者契約法」とは、消費者が事業者と契約するときに消費者の利益を守るために作られた法律です。

この法律では、事業者が契約時に消費者の自由な意思決定を阻害した場合、消費者は事業者に対して契約を取り消すことができます。また、消費者の利益を一方的に害する契約条項は、一定の場合に無効となります。(参考元:大阪市消費者センター

サブスクと改正消費者契約法

サブスク(サブスクリプションsubscription)とは、一定の料金を支払うことで製品やサービスを利用できる契約のことです。動画・音楽配信サービス、洋服や時計のレンタルなど、サービスの幅は広がりを見せています。20代・30代の若年層の利用者が特に多く、20代女性においては全体の約半数近く(47.9%)を占めています。

「TesTee(テスティー)調べ:https://www.testee.co

しかし、このサブスクには「解約のための手続きが煩わしい」「電話でしか解約ができない」「プランが複雑」などの問題点があり、国民生活センターによるとこのようなサブスクに関する相談は、2021年度以降、毎月500件程度全国の消費生活センターに寄せられています。

参照元:日本テレビ「スッキリ」

このような声を受け、ウェブサイトやアプリでサブスクを申し込む際に、利用者が簡単に確認できるよう「最終確認画面」を表示することが令和4年6月1日より施行の改正特定商取引法で義務付けられました。以下が契約事項となります。

参考元:消費者庁

そしてこの度の改正消費者契約法により、消費者の求めに応じて契約解除に必要な情報を提供することが事業者の努力義務となり、令和5年6月1日より施行されます。

しかし、この度成立した改正消費者契約法に関して、強制ではなく努力義務という点に対し、Twitterでは下記のような声も上がっています。

改正消費者契約法「努力義務」に対する声

消費者ニーズに応えるサブスク

なぜサブスクは、国を動かすほどの影響力を持ったのでしょうか。その理由のひとつに、消費者の価値観の変化が上げられます。消費者が物の豊かさよりも、心の豊かさを重視するようになったことが、この変化の理由のひとつと考えられています。

また、消費者庁の調査によると「できるだけモノを持たない暮らしに憧れる」という質問に対し、「かなり当てはまる」「ある程度当てはまる」と回答した人の割合は全体の51.9%を占めました。

物を所有するのではなく、必要なときに借りて利用するサブスクは、多くの消費者のニーズに応えることが出来るビジネスモデルではないでしょうか。

サブスクの成功例:NETFLIX

サブスク事業の成功例として、世界1位の有料会員数2億2,184万人を誇る動画配信サービスNETFLIX(ネットフリックス )があげられます。

・解約忘れがないよう無料期間終了の3日前に通知メールが届く。

・解約手続きも、たったの2ステップ。

 

このような仕組みも、下記のように有料会員数が急増している理由の一つです。

参考:ネットフリックスの有料会員数の推移のグラフより

消費者のために示すべき対応とは

このように、私たちの生活に深く関わるサブスクを展開する事業者が、消費者のために示すべき対応とは何でしょうか。

専修大学商学部  谷守正行教授は「なぜ広がるサブスクリプションサービス」の中で、消費者ファーストで信頼関係を維持し、消費者が安心してサービスを利用するための事業者側の課題として、下記の3点を記しています。

①「サービスの品質」を絶対に落としてはならない

②顧客情報の安全な管理(情報セキュリティー)を

③消費者と事業者の「充実したコミュニケーション」によって情報の非対称性を防ぐ

 

信頼を築くために

サブスクを展開している事業者は、改正消費者契約法を機に、ダークパターンを使用していないか見直してみてはいかがでしょうか。

一番の理想は、政府が動く前に消費者の声に耳を傾け、改善することです。

消費者の満足度を重視した組織作りこそが、信頼(トラスト)を生み、結果的に利益に繋がることでしょう。

 

あわせて読みたい⇒日本におけるダークパターン規制の現状と企業が取るべき対策とは

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