子どもを守る!ダークパターンの落とし穴と対策

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近年、スマートフォンやタブレット、パソコンの普及率が急速に増加し、子どもたちも例外ではなく、SNSやアプリゲームを使用します。しかし、このデジタル時代における子どもたちの安全は、ますます脅かされているのが現状です。
中でも、スマートフォンを通じて犯罪やダークパターンが巧妙に仕掛けられ、子どもたちが危険にさらされる事件が頻発しています。
この記事では、どのような危険が存在し、それにどのように対処できるかについて探っていきます。
 

子どものスマートフォン利用に伴う犯罪やダークパターンの現実

ダークパターンとは、ユーザーが無意識に不利な行動を取るように設計された悪意のあるデザインで、より多くの時間やお金を使わせたり、多くの個人情報を抜き出したり、それによって様々なトラブルが発生しています。

そしてもちろん、そのターゲットは大人だけでなく、子どもも含まれます。

実際、子どもは大人よりもダークパターンに陥りやすい傾向があります。子どもをダークパターンから守るためには、子どもがダークパターンに陥りやすい理由を理解し、対策を講じることが大切です。

近年、子どもたちのスマートフォン利用率は急速に増加しており、その影響を受けて犯罪も増加しています。
内閣府の「インターネット接続機器の利用状況」によれば、スマートフォン利用者(2,335人)のインターネット接続機器の専用・共用に関して、「自分だけのものを使用している」割合は、小学生が63.3%、中学生が91.1%、高校生が99.3%です。
これは、子どもたちが自由にデジタルデバイスにアクセスする機会が増えていることを、示しています。
 
さらに、SNS起因の事件などの18歳未満の被害者は1,819人に上り、子どもたちがネットがきっかけで心や体に大きな影響を受けていることが分かるでしょう。

子どもがダークパターンや犯罪に陥りやすい理由

大人と子ども、どちらも同じようにインターネットを利用しているにもかかわらず、子どもの方がダークパターンに陥りやすいのはどうしてでしょうか。理由は、以下のとおりです。

判断力の未熟さと知識の浅さ

子どもたちはしばしばデジタルデバイスを楽しむ際に、個人情報の重要性やリスクに気付いていないことがあります。無料トライアルに登録する、個人情報を提供する、などの簡単な行動が重大な結果を招く可能性があることを認識していないことが、そもそも危険なのです。
悪質な企業は、ダークパターンを使用して、子どもの住所や誕生日などの個人情報を収集します。

衝動性と好奇心の影響

子どもたちは好奇心と衝動性の影響を受け、利用規約を理解せずに衝動的な買い物や不必要なサービスにサインアップしてしまうことがあります。デジタルプラットフォームは、子どもたちのその性格を利用して、ダークパターンの罠をしかけてくることを忘れてはいけません。

特に、有料ゲームなどが、子どもたちに多額の支出を促すケースがあります。ゲームにはダークパターンが非常に多く潜んでいて、どんなに有名な企業の人気なゲームであっても、ダークパターンの危険性は拭えないでしょう。ゲームのダークパターンについての関連記事も、是非お役立てください。

広告詐欺?スマホゲーム広告の実態

携帯ゲームアプリのダークパターン

 

子どもたちが陥りやすいダークパターン3選

コンファームシェイミイング(羞恥心の植え付け)

ユーザーがオファーを断ろうとすると、羞恥心や罪悪感を与えて、あたかも断ることに罪があるように思わせる手法です。
子どもは説得力のあるデザインと詐欺を大人ほど区別できず、衝動買いや不要なサービスに登録してしまう可能性が高く、また、子どもは断ることを恐れがちで、コンファームシェイミイングの「行かないで!おいていくの?」「寂しいな。」「他のみんなもやっているよ!」などの文言に弱い傾向があります。

こっそりカゴに入れる

アプリやウェブサイトでは、通常、同意するために空のチェックボックスをクリックしますが、ダークパターンのデザインは、ボックスに事前にチェックをし、ユーザーに既に同意しているように錯覚させます。
この罠に気づかないユーザーは、そのまま利用規約に同意させられてしまいます。特に子どもは理解が難しく、チェックボックスの意味や、同意内容を把握していないことがあります。
事前にチェックされたボックスには、解約が難しい不要なサービスが含まれることがあり、多額を支払うということにもなりかねません。

おとり商法

おとりの情報やユーザーの習慣を利用して、意図しない行為を実行させるやり方です。このダークパターンは、ユーザーが混乱しやすく、望まないものを購入するよう仕向けることがあります。
たとえば、Webサイトでは「サインアップ」ボタンと「キャンセル」ボタンの配置を切り替え、子どもが誤ったボタンをクリックする可能性を高める方法をとってきます。
 
その他にも、ダークパターンには様々な種類があり、今もなお増え続けています。上記以外のダークパターンの種類の解説もご紹介しています。
 

 

ダークパターンから子どもを守るために大人がするべき教育4選

現代のデジタル環境では、ダークパターンが増加し、大人でさえもそれらを識別しにくくなっています。子どものデジタルセーフティを確保するために、以下のヒントが役立つでしょう。

ダークパターンの理解

ダークパターンが何か、そしてその仕組みを子どもに説明しましょう。なぜ企業がこれらの戦術を使用するのかを理解すれば、子どもたちはそれを認識しやすくなります。

ルールとガイドラインの確立

ウェブサイトやアプリの使用に関するルールとガイドラインを、明確に設定しましょう。どんなに無害に見えるボタンやリンクでも、注意深く読む習慣を、子どもたちに教えましょう。

サインアップとアカウント作成の段階的な確認

サインアップやアカウント作成のプロセスを、子どもと一緒に段階的に確認しましょう。これにより、子どもは同意事項を理解し、誤ったクリックを避けられます。

オンラインセーフティについての教育

オンラインセーフティについての教育を、深めましょう。個人情報の保護、ダウンロードに注意すること、不審なリンクや広告へのアクセスを避けることなどについて話し、子どもが安心してオンライン環境で過ごせるよう、サポートしましょう。また、子どもが問題に直面した場合に相談できる環境を、提供しましょう。

安全対策

スマートフォンは以前の携帯電話とは異なり、様々なアプリをダウンロードして利用できたり、簡単にインターネットに接続できます。

子どもたちが犯罪被害に巻き込まれないだけでなく、さまざまなトラブルからも守るためには、危険なアプリを使用できないよう、危険なサイトにアクセスできないようにする制限が重要です

では、具体的にどのような方法があるのでしょうか。

利用規約とプライバシー設定の確認

オンラインサービスやアプリを使用する際には、子どもたちと一緒に利用規約やプライバシー設定を確認しましょう。不明瞭な表現や、怪しい条件がないかを注意深くチェックします。個人情報の慎重な取り扱いを教えることも必要です。

フィルタリングサービスへの加入

青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」により、満18歳に達するまでの子どもが、携帯電話やスマートフォンを利用する際には、フィルタリングサービスに加入し、その設定を完了させることが義務付けられています。
この取り組みは、子どもたちがオンライン環境で、安全かつ健全な経験を得るための保護措置の一環として、導入されています。

ペアレンタルコントロールアプリの導入

子どもたちのデバイスに、ペアレンタルコントロールアプリを導入し、使用時間の制限や不適切なコンテンツへのアクセスを管理しましょう。これにより、オンライン環境での安全性が高まります。

まとめ

現在の段階では、スマートフォンを含む様々なデバイスに侵入を試みる不正アプリや、インターネット上の様々な脅威を完全に排除する方法は、まだ確立されていません。

そしてもちろん、ダークパターンのみならず、スマートフォンへの依存、ネットいじめ、歩きながらのスマートフォン利用やARアプリ使用中の事故などの危険にも、注意しておく必要があります。

保護者や周りの大人は、子どもに対して利用上の注意を徹底的に説明し、放任せずに、定期的に閲覧履歴のチェックをすることが求められます。また、ペアレンタルコントロールアプリを利用するなど、様々な手段で子どものデバイスを監視し、適切な管理を行うことが重要です。

参考 https://kidslox.com/ja

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