エシカルデザインの実践~ユーザー中心の顧客体験のためにダークパターンを排除する~

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Rohit Verma

AngelOneシニアプロダクトマネージャーのRohitは、製品、テクノロジー、戦略、スタートアップ、フィンテック、Eコマースに関心を持っています。

この記事はPromoting Ethical Product Design: Rejecting Dark Patterns for a User-Centric Onboarding Experienceの翻訳転載です。著者のRohit さんの許可を得て公開しています。ダークパターンの種類についてはこちら

私は、AngelOneのオンボーディングを担当するプロダクトマネジャーとして、アプリのエシカルデザイン(倫理的なデザイン)を強く信じています。

私たちは、ダークパターンの使用による短期的な利益よりも、ユーザーのニーズや信頼、長期的な満足を優先します。

この記事では、ダークパターンの弊害について詳しく説明し、ポジティブなユーザー体験を実現するために、プロダクトマネジャーとしてエシカルデザインがどのように作用するか、私の見解を述べます。

ダークパターンを理解する

ダークパターンとは、ユーザーを欺いたりだましたりして、他の方法では選ばないような行動を取らせる、操作的なユーザーインターフェースの手法です。

こうしたパターンは、認知バイアスや注意不足、情報の非対称性を悪用して、ユーザーを意図しない行動に向かわせます。
ダークパターンの例としては、卑劣なオプトイン、隠れた請求、強制的な継続、偽装広告などがあげられるでしょう。

過去にダークパターンが原因で批判された、有名なアプリの例をいくつか挙げてみましょう。

注意しなければならないのは、企業は時とともにデザインの方法を変え、それらの例は現状を反映していないかもしれないということです。 

以下がいくつかの例です。

  1. LinkedIn
    かつてLinkedInは、積極的なEメールによる慣行で知られ、ユーザーは通知やEメールを受信し、通知の配信停止やEメール設定の管理が困難でした。

  2. Facebook
    Facebookは、プライバシー設定を過度に複雑で操作しにくいデザインにし、ユーザーがプライバシー設定を管理することを困難にするなど、さまざまなダークパターンに対する批判に直面してきました。

  3. Booking.com
    この有名な旅行予約プラットフォームは、「この価格で残り1室のみ!」や「今、5人がこのホテルを見ています」といった文言で切迫感を煽り、ユーザーに迅速な決断を迫る戦術を使っています。

  4. Snapchat
    Snapchatは、アカウント削除のオプション設定を非表示にすることで、アカウント削除を困難にしていると批判されています。

    この手法は、プラットフォームから離脱する可能性のあるユーザーを引き留める方法とみなされています。

  5. Amazon
    Amazonは、プライム会員を解約するのを難しくしたり、解約手続きをアカウント設定を隠して誘導するなど、ダークパターンを巧みに使っていると非難されています。

ダークパターンの落とし穴

ダークパターンは、コンバージョン率の向上や収益の増加といった、直接的な利益をもたらすかもしれません。
しかし、長期的にみると、ユーザーと企業の双方にマイナスの結果をもたらすことが多くあります。

  1. 信頼の崩壊
    ダークパターンは、ユーザーを欺き、偽って製品やサービスに関心を持たせることで、ユーザーの信頼を損ないます。

    これでは、ユーザーが商品と良好な関係を築くための土台が崩れてしまいます。

  2. ネガティブなユーザー体験
    「だまされた、操作された」と感じたユーザーは、製品やブランドに対して否定的なイメージを持つ可能性が高いでしょう。

    これが不満となり、最終的には離脱につながります。

  3. 評判の低下
    ダークパターンは、否定的なレビュー、ソーシャルメディアでの反発、ブランドの評判の低下につながる可能性があります。

    デジタル時代は、うわさが広まるのが早く、ユーザーは非倫理的な行為についてますます意識し、発言するようになってきています。

  4. 法的および規制上のリスク
    ダークパターンの中には、消費者保護法や規制に違反するものも存在します。

    このような行為に関与すると、企業は罰金や訴訟などの法的責任を負うことになる危険性があります。

エシカルデザインの推進

プロダクトマネジャーとして、エシカルデザインの原則を支持し、ユーザーの利益を優先することは私たちの責任です。

以下が、私たちが考えるべき戦略です。

  1. 透明性
    製品の機能、かかる費用、データ使用量について透明性を確保すること。
    ユーザーが、明確かつ簡潔に情報にアクセスし、十分な情報に基づいた意思決定ができるようにすること。

  2. インフォームドコンセント(説明と同意)
    ユーザーの経験に影響を与える可能性のある行為や、個人データに関わる行為について、ユーザーから明確に同意を得ること。

    あらかじめ選択された項目は避け、ユーザーが積極的に自分の好みを選択できるようにする。

  3. ユーザー教育
    ユーザーに、製品やサービスの利点や価値を正直に伝える。
    製品がどのように機能するか、その使用における制限、関連するリスクについて明確な説明を行うこと。

  4. 長期的な成功に向けた取り組み
    純粋にユーザーのニーズを満たし、価値を生み出す製品を作ることに集中する。
    信頼と満足度に基づく長期的な顧客関係の構築は、短期的な利益よりもはるかに価値が高い。

  5. ユーザーのフィードバックおよびテスト
    ユーザーからのフィードバックを積極的に求め、ユーザーテストを実施して、問題点を把握し改善につなげる。

    また、ユーザーからのフィードバックを製品開発プロセスに取り入れ、ユーザーの要求に応える。

  6. 倫理的なガイドライン
    ダークパターンの使用を明確に拒否する一連の倫理的ガイドラインを確立し、順守する。
    そしてこのガイドラインが製品チーム全体に周知され、受け入れられるようにする。

ダークなパターンを排除し、エシカルデザインを優先することで、ポジティブなユーザーエクスペリエンスを育むことができます。

それはユーザーに利益をもたらすだけでなく、長期的にはブランドの評判を高め、ビジネスの成功にもつながるでしょう。

プロダクトマネジャーとして、私たちはユーザーとの対話をポジティブに形成し、製品への信頼を築く力と責任を担っています。

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