「デザイナーが避けるべきダークパターンの概要」
―ユーザーに嫌われる。ビジネスにならない。短期的な利益を考えるな。―
Illustration by Ouch
数日前、クレジットカードの明細をよく見てみると、突然、見覚えのない少額な請求があるのを見つけました。この金額がどこから来たのか、手がかりすらありません。メールやオンラインアカウントを何時間も調べた結果、誤って、あるサービスに登録してしまっていたことが分かりました。
それはもしかすると私が気づかないうちに、あらかじめチェックマークがついていたり、サービスにキャンペーンがあって騙されたからかもしれない、と想像してしまいます。このような手口を何と呼ぶか、考えたことがあるでしょうか?そうですね。
ダークパターンとは、Webサイトやアプリで使われている、購入や申し込みなど、ユーザーの意図しないことをさせる手口、と定義することができます。
私たちは、倫理観や責任感が欠如したダークパターンを、あらゆるインターフェースで目にします。ロンドンを拠点とするUXデザイナー、ハリー・ブリヌルは、2010年に「Dark Patterns」という言葉を生み出し、Darkpatterns.orgというウェブサイトを運営し、ダークパターンや慣習に対する認識を広め、阻止することに力を注いでいます。
目次
2015年、LinkedInは1300万米ドルの訴訟で敗訴した。
同社は、ユーザーの連絡先リストを個人的な利益のために使用したことで有罪判決を受けたのです。これは、途絶えることなく人々をネットワークに追加することを目的とした機能に関するものです。その代わり、LinkedInは利用規約に書いていないにもかかわらず、同様のフォローアップメールを何度も送るようになりました。
Source:https://www.engadget.com/2015-10-05-linked-in-settles-class-action-lawsuit.html
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おとり販売
製品を実際よりも魅力的に見せるなど、製品を実際とは異なるもののように宣伝すること。
例:Facebookで、友達申請として通知が表示されているが、実際は友達申請の提案である。
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意図的なミスディレクション
このパターンは、企業にとってより多くのビジネスや利益をもたらす選択肢をユーザーに選択させるために、企業が利用するものです。
以下は、航空会社のウェブサイトにおける旅行保険の例で、保険料の支払いが義務付けられていないにもかかわらず、ユーザーが国を選択するように誘導しています。
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コンファームシェイミング(羞恥心の植え付け)
これは通常、ユーザーに何かを選択することに罪悪感を覚えさせる行為です。
ユーザーに断るという選択肢を恥ずかしく思わせるようなコピーを利用して、登録または申込させるのです。
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ローチモーテル(ゴキブリホイホイ)
このようなマーケティングやデザインの方法は、ウェブサイトやアプリによって、アカウントの削除やメーリングリストからの退会など、ユーザーがオプトアウトすることを難しくしている場合に見られます。
また画像にあるような、申し込みは自動的に登録され、チェックボックスは購読を拒否するためのもので、購読を選択するためのものではない、紛らわしいコピーもこれに該当します。
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広告をダウンロード
これは非常に古いパターンが現在も使用されており、本物のダウンロードボタンやリンクに、マルウェアを提供するボタンが混ざっているというものです。動画配信サイトやファイルダウンロードのサイトなどでよく見かけます。
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セグメント化された購読解除
一部のウェブサイトでは、配信停止リストをグループ分けし、ユーザーがそれぞれをクリックしてすべての配信を停止しなければならないこのパターンを使用しています。
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価格比較の非表示
このパターンは、企業やサブスクリプション型サービスで使用されます。利用可能なプランの具体的な価格を表示しないことでユーザーが比較できず、自分にとって最適な意思決定をすることができません。
Linkedinプランの比較
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カートに忍び込む
これは、オンラインショッピングポータルで、チェックアウトの最終段階にある時によく見られます。バッグ/マグカップ/ 10%の寄付などのアイテムがカートに自動的に追加されます。これは、モバイルデバイスでよく見られます。少額なものが多く、支払い前に見落とされがちです。
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強制的な継続性
これは、有利な初回トライアルを提供する製品で最も一般的なものの1つで、トライアルを開始するための登録の段階でユーザーのクレジットカード情報を収集するものです。ほとんどの場合、トライアルが終了した後にリマインダーや通知はなく、企業は自動的に課金を開始します。
クレジットカード情報ページ
ダークパターンの影響はいたるところで見られ、”Deceptive Experiences To Online Users Reduction Act” または”DETOUR Act”という法案が上院で可決されました。
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上記以外にも多くのダークパターンが存在します。企業は、誤って、あるいは利益のためにこれらを行っています。これらをインターフェイスから取り除くには、多少の労力は必要ですが、必ずできるはずです。
企業やデザイナーは、短期的な利益という定量的なものよりも、ブランドイメージ、信頼、信用といった長期にわたる質的な価値を考えるべきです。
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仕事に関するお問い合わせは、www.vamsibatchu.com をチェックするか、@vamsibatchuk@gmail.com までメールをください。
【引用文献】
Harry Brignull“Deceptive Design”
Types of deceptive design:https://www.deceptive.design/types