総務省は2025年3月3日、偽情報対策の一環として、インターネット広告に関する初の指針案を公表しました。
この指針案は、偽情報や海賊版などを扱う悪質なサイトに企業の広告料が流れないようにすることを目的としています。
特に、中小企業を含む広告主の経営層に対し、配信管理への積極的な関与と、対策に必要な予算や人員の確保を求めています。
広告に関するダークパターン
ネット広告には、「おとり商法」や「ソーシャルプルーフ」を悪用したダークパターンが存在します。おとり商法は、安い商品で誘導して実際には高額商品を売りつける手法です。
また、Facebookでは有名人の名前や顔を無断で使用し、信頼性を装った詐欺広告が問題になっています。これらの手法は、ユーザーを意図的に誤解させ、広告効果を高めるダークパターンの典型です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
– おとり商法
– 定期便契約の不当表示に消費者庁が動いた!通販の購入画面のワナ
ダークパターンと悪質サイトの関係
悪質なサイトは、ダークパターンを利用してユーザーを欺き、広告収入を得ています。
例えば、無料だと思わせて実は課金される仕組みや、キャンセルを極端に分かりにくくするデザインです。今回の指針案は、こうした手法に広告費が流れるのを防ぐことも目的としています。
中小企業への影響と求められる対策
今回の指針案は、大企業に限らず中小企業にも影響を与える内容です。以下は、具体的に求められる対応策です。
1.経営層の関与強化
- 経営層の中にネット広告の責任者を配置し、管理体制を強化。
- 悪質なサイトへの広告掲載を防ぐための意思決定を迅速に行う。
2.社内教育の充実
- 広告担当者に対して、悪質なサイトの特徴や広告配信のリスクについての教育を実施。
3.広告配信の管理と監視
- 配信先の確認と監視を強化し、第三者による審査やツールの導入も検討。
- 悪質サイトを確認した際の対応手順をあらかじめ定めておく。
ダークパターン最新情報
ユーザーからのクレームや法令違反を招くダークパターンを回避しよう
中小企業が取るべき行動とは?
1.広告代理店との契約見直し
- どのようなサイトに広告が配信されるのか、透明性を確保。
2.閲覧数だけに頼らない広告評価
- 指針案では、閲覧数のみで広告効果を判断しないことを推奨。
- 質の高いサイトへの配信を重視し、長期的な信頼獲得を目指す。
3.セキュリティとブランドイメージの両立
- 悪質サイトへの広告掲載は、ブランドイメージだけでなく、セキュリティリスクも招く。
- 企業の信用を守るため、広告配信のチェック体制を強化。
まとめ
総務省が示したネット広告の指針案は、偽情報や悪質サイト対策の観点から、中小企業にも大きな影響を与える可能性があります。
経営層が広告管理に積極的に関与し、適切な対策を講じることが求められています。早期に対応を始め、企業の信用と広告効果を両立させることが重要です。