韓国、ダークパターンに対する新たな規則を施行、有料サブスクリプションに明示的な同意を義務付け

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韓国は消費者をオンライン上の欺瞞行為から保護するための厳しい措置を導入しました。

有料サブスクリプションの明示的な同意が必須に

オンラインサブスクリプション製品の「無料トライアル」後に有料サブスクリプションへ切り替える際、消費者から再度明示的な同意を得る必要があります。

また、「購入」ボタンと「キャンセル」ボタンは同じサイズと明るさにすることが求められ、「解約」リンクは「契約」リンクよりも煩雑であってはなりません。

韓国の公正取引委員会は13日、このような内容の「オンライン・ダークパターンに関するQ&A」を公開しました。ダークパターンとは、消費者の混乱や不注意を招き、不必要な出費を誘導する「オンライン詐欺手法」を指します。

規制対象となるダークパターンの種類

ダークパターン規制は、以下の6つに及びます。

  1. 隠れた更新(無料期間終了後の自動課金)
  2. 順次的な価格公開(最初に表示される金額と最終的な支払額の不一致)
  3. 特定オプションの事前選択(事業者に有利な選択肢の強制)
  4. 不当な序列(消費者に不利な配置)
  5. 解約・撤回の妨害(解約手続きを意図的に複雑化)
  6. 反復強要(ポップアップなどで繰り返し同意を求める)

この規制は2月14日から施行され、違反した場合は是正措置や業務停止命令、最高500万ウォンの罰金などの制裁が科される可能性があります。

具体的な規制内容

無料トライアル後の有料移行

  • 有料サブスクリプションへの切り替え日は30日前から再度明示的な同意を得る必要があります。
  • 当初の契約時に同意を得ていた場合でも、再確認が必須です。
  • メールを送信し、返信がないことを「同意」とみなすことは認められません。
  • 利用規約に「無料トライアル終了後、自動的に有料へ移行する」と記載することも不公平条項とされる可能性があります。

価格表示の透明化

  • 初期画面で総額を表示し、購入過程で追加料金を開示することは禁止されます。
  • 付加価値税、配送料、設置料などの追加費用は、最初から明示する必要があります。
  • 総額が変動する場合は、その理由を初期画面で説明しなければなりません。
  • 事業者には6か月の猶予期間が設けられます。

オプションの事前選択禁止

  • 配送先の自動入力など、利便性の向上を目的としたものは対象外ですが、
    商品購入やサービス加入、オプション利用などの自動選択は規制されます。

解約手続きの簡素化

  • 購入、契約と同じくらい簡単な解約手続きを設ける必要があります。
  • 購入ボタンが目立つのに対し、解約ボタンが小さかったり、見つけにくかっ
  • りするのは禁止されます。
  • 解約プロセスが契約プロセスよりも多くの手順を要する場合は「複雑な設計」とみなされ、規制の対象になります。

消費者への圧力禁止

  • ポップアップウィンドウを利用して、広告受信や個人情報の提供を繰り返し要求することは禁止されます。
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事業者への影響と対応策

今回の規制強化により、オンライン事業者は以下の対応が求められます。

1.サブスクリプション契約の見直し:

  • 無料トライアル後の有料移行時に、明示的な同意を得る仕組みを導入する。
  • 自動課金の条項が不公平とならないよう、利用規約を改訂する。

2.価格表示の透明性確保:

  • 追加料金や税金を含む総額を、購入初期段階で明示する。
  • 総額が変動する理由を明確に説明する。

3.ユーザーインターフェース(UI)の適正化:

  • 「購入」と「キャンセル」のボタンを同等の大きさ、明るさにする。
  • 解約リンクを契約リンクと同等の使いやすさにする。

4.ダークパターンの排除:

  • 不当なオプションの事前選択を廃止する。
  • 解約・撤回を意図的に妨害する設計を見直す。

この規制に違反すると罰金や業務停止のリスクがあるだけでなく、消費者からの信頼を失う可能性もあります。

事業者は早急に対応し、適正な販売手法を確立することが求められます。

詳細な情報や具体的な対策については、公正取引委員会の公式発表を確認することをおすすめします。

 

参考:ChosunBizEN:Korea enforces new rules against dark patterns, mandates explicit consent for paid subscriptions

 

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