Uber、ダークパターン利用で米連邦取引委員会から提訴――サブスク解約困難が問題に

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2025年4月21日、米国の連邦取引委員会(FTC)は、ライドシェア・デリバリー大手のUberを提訴しました。
問題になったのは、サブスクリプションサービス「Uber One」の販売方法と解約手続きについてです。
FTCは、Uberが消費者に十分な説明をしないまま加入させ、さらに解約を非常に困難にしていたと指摘しています。

Uberが訴えられた背景とは?

ダークパターン利用が問題

今回問題となった手口は、典型的なダークパターンに該当します。
ダークパターンとは、ウェブサイトやアプリ上で、ユーザーを意図しない行動に誘導するための不誠実なデザイン手法を指します。

具体的にどんな問題が指摘されたのか?

主な問題点は以下のとおりです。

  • 誤解を招く節約アピール

   「月25ドル節約できる」と宣伝していたが、月額料金9.99ドルを差し引いた実質の節約額は提示されていなかった。

  • 小さな文字・薄い色で重要情報を隠す

   加入に関する重要な情報を、目立たない書式で表示していた。

  • 無料トライアル期間中にも課金

   「無料」と謳っておきながら、試用期間が終わる前に料金を請求していたケースがあった。

   これはサブスクリプション型サービスでよくあるダークパターン事例にも共通する問題です。

  • 解約手続きが極端に複雑

   解約には最大23画面、32回ものアクションが必要とされ、途中で引き止める仕組みも導入されていた。

  • 「節約を始める」「キャンセル」のボタン設計が不明瞭

   たとえば、「キャンセル」という選択肢が、実際には配車キャンセルなのか、サブスクリプションキャンセルなのか曖昧な設計になっていた。

  • Uberアカウントを持たない人にも請求

   アカウントを作成していないにも関わらず、支払い請求があったケースも報告されています。

これらの行為は、FTC法第5条およびROSCA(オンラインショッピング利用者の信頼回復法)に違反するとされています。

■あわせて読みたい⇒サブスクリプションモデル:良いもの、悪いもの、醜いものから得た9つの教訓

Uber側の主張は?

これに対し、Uberは次のように反論しています。

  • 登録や解約のプロセスは「明確で簡単」であり、ほとんどのユーザーは「20秒以内に解約できる」。
  • サービス登録時には「顧客の同意を得ている」と主張。
  • FTCの今回の対応については「残念」であり、裁判では自社の正当性が認められると確信している。

また、Uberの外部顧問(元FTC委員)も、調査の進め方に対して「異例の速さだった」と苦言を呈しています。

中小企業にとっての影響とは?

今回の件は、Uberのような大企業に限った話ではありません。
デジタルサービスを提供している中小企業にも、次のような影響が予想されます。

  • 加入時には必ずユーザーの明確な同意を取ること
  • 料金や契約条件を分かりやすく表示すること
  • 解約は誰でも簡単にできる設計にすること

これらは、ダークパターン規制に備える中小企業のための対策ガイドにも詳しくまとめています。

今後は、「ダークパターンを使っていないか?」を厳しくチェックされる時代に突入しています。
自社のサービス・ウェブサイトについても、今すぐ見直しを進めるべきです。

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まとめ

求められるのは「透明性」と「ユーザー視点」

デジタル社会において、消費者の信頼を得るには、透明性と誠実な対応が不可欠です。
中小企業にとっても、法律を順守しながら、ユーザーに優しい体験を提供することが競争力になります。
今のうちに「ユーザー目線」でサービス設計を見直し、トラブルを未然に防ぎましょう。

■あわせて読みたい⇒【今すぐダークパターン規制対策を】サイト制作12のアドバイス

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参考:FTC Takes Action Against Uber for Deceptive Billing and Cancellation Practices

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