韓国のダークパターン規制施行も、Adobe・YouTubeは対応遅れ

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2025年2月14日、韓国でオンライン上の「ダークパターン」(消費者を欺く設計)を規制する改正法が施行されました。しかし、AdobeやYouTube、Coupangといった大手プラットフォームが、依然として消費者に不利な販売手法を維持していることが判明しました。この状況を受け、韓国公正取引委員会(FTC)による監視強化の必要性が指摘されています。

自動課金の仕組みが依然として温存

Adobeは、デザインツール「Photoshop」や「Premiere」などのサブスクリプション契約において、「無料トライアル期間終了後、自動的に課金される」と明記しています。YouTubeも同様に、「無料トライアル期間内に解約しない限り、自動的に料金が請求される」との規約を維持しています。

韓国の改正法では、無料トライアルから有料契約への移行時に、消費者の明示的な再同意を得ることが義務付けられました。しかし、現状では多くの企業が単なる通知メールを送るにとどまり、規制を十分に遵守していない可能性があります。

Adobeのキャンセル料問題

Adobeは、サブスクリプション契約の一つである「月払い年間プラン」をデフォルトで選択済みの状態にしており、14日間を過ぎると年間契約の10%を解約手数料として請求する仕組みを維持しています。

この問題については、韓国だけでなく米国でも指摘されており、米国連邦取引委員会(FTC)は2024年にAdobeの幹部を告発しました。規約の重要な部分を小さな文字で表示し、ユーザーが気づきにくいようにする手法は、典型的なダークパターンとされています。

AdobeよりキャプチャしたPhotoshopやPremiereなどのデザインツールのブランドであるAdobeの支払い画面。特定の支払いオプションが自動的に選択されます。このオプションには「キャンセル料の請求」が含まれており、支払いに関する消費者の苦情が続いています。 引用元:ChosunBizEN:Adobe, YouTube maintain dark patterns despite new regulations in South Korea

Coupangの「解約しにくい設計」

韓国の大手ECサイトCoupangも、「Wowメンバーシップ」というサブスクリプションの解約に複数の手順を要求しています。契約はワンクリックで可能なのに対し、解約には3ステップが必要であり、これは「解約を難しくする設計」として問題視されています。

公正取引委員会の対応と今後の課題

韓国公正取引委員会は、改正法の施行から日が浅いこともあり、現在は企業の自主的な対応を見守る方針をとっています。しかし、一部の専門家は、消費者からの報告に依存するのではなく、より積極的な監視と制裁が必要であると指摘しています。

例えば、中央大学の李正熙(イ・ジョンヒ)教授は、「ダークパターンは非常に巧妙であるため、取り締まりには限界がある」とし、「公正取引委員会は継続的に監視し、新たな手法にも対応できる体制を整えるべきだ」と提言しています。

また、現在の罰則では最大500万ウォン(約50万円)の罰金が課されるものの、企業がダークパターンによって得る利益と比較すると軽微なため、罰則の強化も検討すべきとの意見もあります。

韓国市場をターゲットとしている日本企業も対応が必要

世宗市の政府世宗タワーにある公正取引委員会  引用元:ChosunBizEN:Adobe, YouTube maintain dark patterns despite new regulations in South Korea

韓国での規制強化は、日本企業にとっても他人事ではありません。韓国市場で事業を展開している企業は、現地の規制に準拠する必要があります。また、日本国内でも消費者庁がダークパターンに関するガイドラインを発表するなど、規制の強化が進む可能性があります。

企業としては、

  1. サブスクリプション契約時の自動更新の透明性を確保する
  2. 解約手続きを簡潔にし、消費者がスムーズに退会できるようにする
  3. 料金体系や解約ポリシーの説明を明確に記載する

といった対応を進めることが求められます。

韓国の動向は、日本の規制強化の前兆となる可能性があるため、企業は早めの対応を検討することが重要です。

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韓国有料サブスクリプション規制について

2025年2月14日施行された、韓国でオンライン上の「ダークパターン」(消費者を欺く設計)を規制する改正法について詳しく解説した記事はこちらです。

韓国、ダークパターンに対する新たな規則を施行、有料サブスクリプションに明示的な同意を義務付け

参考:ChosunBizEN:Adobe, YouTube maintain dark patterns despite new regulations in South Korea

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