ラジオボタンに初期値があるのはユーザーにとって不親切ですか？

初期値が設定されている場合、ユーザーが選択肢の内容をよく読まずにそのまま選択してしまうことは非常によくある現象です。
これは「デフォルトバイアス」と呼ばれる認知バイアスによるもので、人は労力を最小限に抑えようとする傾向があるため、あらかじめ選ばれている項目が「推奨されている」と無意識に受け取ってしまいがちです。

特にプライバシー設定や料金プランなど、重要な意思決定が含まれる場面でこのバイアスが働くと、ユーザーは自分にとって最適ではない選択を無意識にしてしまうリスクがあります。
後になって「そんなつもりじゃなかった」と感じることは、ユーザー体験を大きく損ねる原因になります。

初期値の設計は便利な一方で、ユーザーに十分な理解と意識的な判断を促す配慮が不可欠です。
以下のようなデザイン改善が有効です。

1. 重要な選択肢については、あえて初期値を設けず、ユーザーに自ら選ばせる設計にする

2. 各選択肢の意味や影響を簡潔に説明し、情報に基づく判断をサポートする

3. 未選択の状態を目立たせるビジュアルキューを使用し、選択が必要であることを視覚的に示す

4. 選択後に確認画面を設け、ユーザーが意図した選択かを再確認できるようにする

5. 「なぜこの選択が重要なのか」を簡単に説明し、選択の背景や意義を伝える

このような工夫を取り入れることで、ユーザーはより納得感のある選択ができ、自身のニーズに合った設定や購入がしやすくなります。
結果として、サービスに対する満足度や信頼性の向上につながります。