性別選択などで初期値をどちらかに設定するのは不公平でしょうか？

はい、性別選択において特定の選択肢（例：「男性」）を初期値として設定することは、不公平であり、ユーザー体験やインクルージョン（包括性）の観点から問題があります。
このような設計は「デフォルトバイアス」を利用したダークパターンの一種とも言え、ある性別を「標準」と暗黙に位置づけてしまう危険性があります。

初期値があることで、ユーザーは選択肢を読まずにそのまま進めてしまう可能性があり、意図しない情報が送信されることになります。
さらに、初期値が設定されていない人にとっては「修正の手間」がかかるため、無意識のうちに不平等な体験が生まれます。
また、こうした設計は、ジェンダーに関する固定観念（バイナリーな性別観）を強化し、多様性を軽視していると受け取られるリスクもあります。

より公平でインクルーシブなデザインを実現するためには、以下の対応が推奨されます。

1. 性別の初期値は設定せず、ユーザーに自ら明示的な選択をしてもらう

2. 「男性」「女性」に加え、「その他」「回答しない」といった選択肢も設ける

3. 性別情報が本当に必要かどうかを再検討し、不要であれば入力自体を省略する

4. なぜ性別を尋ねるのか、その利用目的を明示して透明性を確保する

5. すべての選択肢を視覚的に平等に配置し、いずれかが目立たないよう配慮する

このように、ユーザーの多様性に配慮した公平な設計を行うことで、サービス全体の信頼性と受容性が高まり、長期的にはユーザーとの良好な関係構築にもつながります。