「顧客満足度No.1」
「医師が勧めたいNo.1」
「友人に紹介したいNo.1」
あなたの商品をより魅力的にするために、このようなNo.1表示を使っていませんか?
2024年に入り、消費者庁で行われていた「No.1」表示に関する実態調査の報告書が9月26日付けで公表されました。違法なNo1表示が次々と見つかり、業務停止が相次いでいます。
弊社では2024年10月1日に消費者庁表示対策課へ問い合わせし、今後のNo.1表示について質問してきました。
本記事では、No.1実態調査の概要及び結果や「結局No.1表示は違法なのか?」といった疑問にお答えしています。No.1表示を使っている経営者、今後使ってみたいと思っている人はぜひお読みください。
目次
No.1表示に関する実態調査とは
No.1表示に関する実態調査とは、No.1表示にはどのようなフレーズが使用されているのか、またそういった表示が消費者の行動にどの程度影響を及ぼしているのかといったことを消費者庁が調査したものです。
加えて「調査方法や表示の仕方が適切であるか」といった経営者も知っておく必要がある内容も含まれているのが特徴です。
調査対象
広告主、消費者、一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会、大手調査会社(合計3社)
調査対象の表示
「顧客満足度No.1」や「コスパが良いと思うNo.1」といった「No.1表示」に加え、「医師の○%が推奨しています」といった「高評価%」についても「商品等についての第三者の主観的評価を訴求している」点から、調査の対象に含まれる。
ソーシャルプルーフ(社会的証明)と広告の関係性については、こちらもご覧ください。
消費者庁が行った実態調査のまとめ
1.多く使用されているフレーズ
No.1 表示で多いフレーズ
「顧客満足度」
「品質満足度」
「コスパ満足度」
「痩身効果満足度」
上記のような商品等に満足したことを示すフレーズが 71 件と最多。
高評価%表示
「医師の○%が推奨」
「おすすめしたい○○」
上記のように、専門家等が商品等の購入・利用を勧めていることを示すフレーズが 32 件と最多。
2.消費者の意識調査
新しい商品等を購入する際に、【No.1 表示】 【高評価%表示】 が意思決定にどの程度の影響を与えるかを調査した結果、それぞれ約5割の回答者が、「かなり影響する」又は「やや影響する」と回答。
つまり、No.1と表示することは、今でもお客様の購買意欲を引き出す効果的な方法であり、強いアピール力を持っているということです。
No.1表示が消費者の購入の意思決定に与える影響
調査を行った消費者の4割以上が「実際の利用者に調査をしていると思う」と回答。
(なかでも「顧客満足度 No.1」「人気 No.1」の表示に対しては、いずれも半数以上という結果)
「医師の 90%が推奨」という 高評価%表示については、2人に1人の消費者が「医師の知見による専門的な根拠や裏付けがある」「商品等の品質・内容に関する客観的なデータを元に調査を行っている」「回答者が医師だと確認している」と認識していると回答しました。
使用者や専門家の意見であるかのように誤解されないよう、表示には十分な注意が必要です。
3.広告主へのヒアリング結果
調査会社に『No.1表示』の根拠が本当に正しいかどうかをしっかり確認していないケースが多いことが明らかになりました。
さらに、調査会社から納品された『調査結果レポート』など、No.1表示の根拠となる資料が適切に保管されていないケースも多数。
消費者庁からヒアリング調査の依頼を受けて、調査会社などから再度報告書を取得した事例も複数確認されています。
No.1表示は結局違法なのか?
No.1表示自体は違法ではありません。
客観的な調査に基づき、正当な結果を示すものとしては消費者にとっても、選択する際の助けになります。
しかし、実際に商品を購入していない人へのアンケートで作り上げた「満足度No.1」や偏った消費者にだけ行ったアンケートをもとにした結果など「消費者を騙す」ような表記は避ける必要があります。
No.1表示4つのガイドライン
今後No.1表示を行っていく際には、以下のことが求められます。
① 比較する商品等が適切に選定されていること
② 調査対象者が適切に選定されていること
③ 調査が公平な方法で実施されていること
④ 表示内容と調査結果が適切に対応していること
広告主は、「消費者に誤解を与えるような表示」を行わないよう、より一層の法令順守、根拠となる情報の確認などが求められてきます。
No.1表示に関する消費者庁の見解
消費者庁へのヒアリング結果、今後の見解は以下の通りです。
・消費者の購買意欲を促進する手法として、イメージ調査は問題ない
・今回の調査を元に、No.1表示が禁止になるわけではない
・適切な調査方法で、イメージ調査である(利用者への聴取ではない)旨が、明記されていればOK
・誰に何を聞いたか、わかる注釈があることが望ましい
まとめ
現在も消費者の購買意欲に大きく影響を及ぼす「No.1表示」。
適切な方法で調査を行い、表示することは問題ありません。
しかし、満足度No.1をイメージ調査(実際には購入していない人へのアンケート)で作り上げるなど「消費者を騙す表示」は避けるべきです。
本記事を参考に、あなたの商品の魅力を伝えるためのNo.1表示を効果的に活用していただければ幸いです。
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