イタリア、レストランやホテルの偽レビュー規制強化へ

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インターネット上のレビューが与える影響

イタリア政府は、レストランやホテルなどに対する偽レビューの取り締まりを強化する方針を示しました。

近年、インターネット上でのレビューは、消費者が店舗や宿泊施設を選ぶ際に大きな影響力を持つようになりました。

しかし、偽のレビューが簡単に投稿されてしまう現状があり、不正競争や消費者への詐欺的行為に繋がるケースが増加しています。

例えば、競合店舗が他店を貶めるために悪評を投稿したり、店舗側が報酬やギフトと引き換えに好意的なレビューを依頼するケースがあります。

このような操作されたレビューは、消費者に誤解を与えるだけでなく、誠実に運営している事業者にとっても深刻な損害を与えることがあります。

新たな規制の内容

ジョルジャ・メローニ首相の内閣は、レビュー投稿プラットフォームの運営を規制する初の法案を承認しました。この法案には以下の措置が含まれています。

  • レビュー投稿者の身元確認の義務化
  • 店舗や施設側の反論権の保障
  • レビューの売買禁止

さらに、レビューを投稿するユーザーは、店舗を実際に訪問した証拠を示さなければならず、意見は事実に基づいた詳細なものである必要があります。

また、施設側は、問題解決のための具体的な対応を行った証拠を提示することで、誤解を招くレビューの削除を求めることが可能になります。

規制強化の背景と影響

イタリアの観光・飲食業界では、偽レビューが売上高に6%から30%の影響を与えるとの報告があります。レビューサイト大手のTripadvisorによれば、2022年には約130万件もの偽レビューが削除されました。

このような事態を受け、同法案は事業者団体や消費者団体から概ね歓迎されています。

観光・飲食業界を代表する団体「Fipe Confcommercio」は、この法案を「消費者と事業者双方を守るための重要な一歩」と評価し、長年続いてきた偽レビューの被害が業界の信頼を損ねてきたことを指摘しました。

また、消費者保護団体のAssoutentiも「透明性を高める施策は歓迎すべきもの」として法案を支持しています。

日本の中小企業への示唆

このニュースは、インターネットを通じて集客を行う日本の中小企業にも重要な示唆を与えます。

EUでは既に、レビューが実際に商品やサービスを利用した消費者によるものであることを証明する義務が課されています。

今後、国際的な規制強化の流れを受け、日本国内でも同様の対応が求められる可能性があります。

そのため、事業者の皆様には、レビュー管理体制を見直し、消費者との信頼関係を強化することが推奨されます。

不正なレビューに依存せず、品質向上や顧客対応を徹底することで、持続可能な競争力を確保することができるでしょう。

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まとめ

イタリア政府による偽レビュー規制は、企業間の公正な競争と消費者保護を目的としたものです。

この動きは、インターネットを利用したビジネス全体に広がりを見せる可能性があり、日本の中小企業も対応を検討する必要があるでしょう。

今後も法規制や業界動向に注視し、適切な対策を講じていくことが重要です。

 

参考:EL PAÍS:Italy plans crackdown on fake restaurant and hotel reviews

 

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